ジャンプとマガジンを翻訳して「早バレサイト」に違法投稿…雑誌入手方法と“意外な稼ぎ”

外国籍の男2人は漫画雑誌の最新号が出るたびに人気作品を翻訳し、発売前に無料で公開する「早バレサイト」に画像を投稿していた。
今月4日、「週刊少年ジャンプ」の漫画を発売前にネット上の海賊版サイトに公開したとして、アニメ関連グッズの販売会社「ジャパンディールワールド」(東京・北区)の経営者、ムサ・サミル容疑者(36)と従業員の男(34)が熊本、新潟両県警の合同捜査本部に著作権法違反容疑で逮捕された。その後の調べで2人が「週刊少年マガジン」の漫画も早バレサイトに公開していたとして、25日、同法違反の疑いで再逮捕した。
ムサ容疑者は2022年11月、海外向けに漫画やアニメ関連のグッズ販売を手がける会社を設立。同社は都内の取次店から正規のルートでジャンプとマガジンを入手し、販売していた。
「ネット販売が専門で店頭販売はしていなかったが、本屋同様、店頭に並ぶ雑誌を事前に手に入れることができた。それを悪用して、取次店から届けられた漫画を外国人向けに英語やアラビア語に翻訳して公開していました。昨年3月ぐらいから違法アップロードに手を染め、漫画の発売日の3~5日前に毎週、スマホで複製した画像を投稿していた。公開していたのは、ジャンプやマガジンに掲載されている全作品ではなく、人気漫画に絞っていた」(捜査事情通)
調べに対し、2人はスマホで作品を撮影し、複製したことは認めているが、「ネット上には公開していない」と容疑を一部否認しつつ、「経営する会社の収益増加につなげたかった」と供述しているという。熊本県警がサイバーパトロールで発見し、同時期に捜査していた新潟県警と合同で調べを進めていた。
早バレサイトは閲覧回数に応じて広告収益が生じるため、国内で違法なサイトが乱立し、いたちごっこ状態になっている。
「公開先は海賊版のサイトで、2人の会社がサイトを運営していたわけではありません。2人はあくまで末端の一投稿者で流出源に過ぎません。サイトの運営者は別にいて、2人は配信料を得ていただけのようです。それもそんなに高額ではなく、小遣い稼ぎ程度といったところです。漫画は複数の外国語に翻訳され、SNSを通じて世界中に拡散され、誰もが閲覧できる状態になっていました。押収したパソコンやスマホの解析から、サイトの運営者を含め、他にも複数の人物が関わっているとみています」(捜査事情通)
海外でも人気の日本の漫画の「続き」が、いち早く世界中に拡散されているとすれば、被害総額はいくらになるのか。

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