【千葉魂】藤原よ大谷翔平になれ 監督の一言起爆剤に 千葉ロッテ

「今日のハイライトは大谷翔平のような藤原恭大でしたね」。試合後、吉井理人監督はメディア取材で試合を振り返りながら、自ら切り出した。2月23日、糸満で行われたイーグルスとの練習試合。1番ライトでスタメン出場をした藤原恭大外野手は1、2打席目で凡退をした後の3打席目で左前打を放つと八回の打席では2死満塁フルカウントからセンターへ走者一掃の適時三塁打。大きな輝きを放った。
前日2月22日に首脳陣と協議の上、大きな打撃改造に踏み切った。これまでの右足を上げて踏み込んで打つ打撃からノンステップに近い形でスイングをするスタイルに変更したのだ。
□ ■ □
その前日21日のドラゴンズとの練習試合(北谷)でも2安打。決して結果が出ていなかったわけではなかった。が、ベンチから試合を見守っていた指揮官は「なんか出会い頭のような当たりに見える」と首をかしげた。
翌日、糸満での練習日。本人と首脳陣が意見交換をした中で導き出した答えがノンステップ打法だった。今までどうしてもタイミングをとるのに苦労をしていたり、差し込まれて窮屈になることもあった。そこで出された提案がこの打法。打席スタイルを大きく変えることになる勇気のいる決断だった。
練習で試した藤原も手応えを口にして明るい表情を見せた。何よりも足を上げて打つ場合とノンステップの状況を比較してもスイングスピードに変わりがないという計測データもこの決断を後押しし、勇気をくれた。
1打席目、2打席目と結果が出なかったがベンチに戻ってきた藤原に吉井監督は「大谷翔平のように打てばいい」と優しく声をかけた。するとそこから2安打3打点。新しい打法に明るい光が差し込んだ。吉井監督は思わず「翔平 藤原 恭大!」と叫んだ。
□ ■ □
「何か希望が見えてきたんじゃないかな。アイツ、昨日の夜、ずっと大谷の打撃フォームの映像を見ていたらしい。ワシが『大谷のように打てばいい』と話をした後、ステップに微修正を加えて、しっかりとアジャストして打っていた。まさに大谷のような感じで打っていた」と目を細めて笑った。
まだまだ新しい試みは始まったばかり。だが、今年の藤原は毎日、何かを変えようと必死になっている。食事の仕方を変え、トレーニングを変え、身体をつくり直した。打撃へのアプローチを変え、時間の使い方を変え、考え方も変えた。プロ6年目。今年こその想いを強く胸に秘め、グラウンドに立っている。ノンステップ打法への挑戦も変わらないといけないという貪欲な欲求から生まれた。背番号「1」がグラウンドを所狭しと縦横無尽に駆け回る時、マリーンズ悲願のリーグ優勝の夢はぐっと近づき、現実となる。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする