イトーヨーカドー津田沼店9月閉店へ 地元から驚きと惜しむ声 セブン&アイ構造改革の一環 かつては“津田沼戦争”展開も

総合スーパーのイトーヨーカドー津田沼店(習志野市)が9月をめどに閉店することが26日、関係者への取材で分かった。同店は新京成電鉄新津田沼駅の駅ビルとして、1977年11月に開業。かつては“津田沼戦争”とも呼ばれる激しい商戦を周辺の大型商業施設と展開したこともあった。地域を代表する商業施設の閉店に地元からは一様に驚きの声が上がるとともに、日常の買い物を心配する声も相次いだ。
同店は地上8階、地下1階。食料品や衣料品のほか、玩具や家具・インテリアなども扱っており、飲食施設も入居している。
運営会社を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスは、グループの構造改革の一環として首都圏を含むヨーカドー全店舗の「さまざまな項目を精査」した上で、同店の閉店を決めたと説明。県内で他店の閉店予定はないとした。
津田沼店は新京成線新津田沼駅の駅ビルとしてオープン。同社広報課は「長い間、テナントとして入ってもらっていたので残念」と話し、後継のテナントは「検討中」とした。
大型商業施設の閉店決定に、習志野商工会議所の担当者は「想定外。(地方で)店舗の整理が進んでいるのは把握していたが、首都圏は対象外と思っていた」と驚く。街づくりの観点からは「JR津田沼駅南口の再開発にも、少なからず影響が出てくる。街の活性化が途絶えることのないように、表玄関としての役割を担う跡地利用を期待したい」と話した。
同店に日用品を買いに来ていた習志野市在住の40代女性は「『ここは大丈夫だろう』と思っていたのでびっくり」と驚き。「2年前に引っ越して来て、何を買うにも来ていた。津田沼に住んだのは駅前が栄えていることが決め手だった。バス停が目の前にあることもあり、年配の人が多く利用している。閉店すると不便になると思う」と不安を漏らした。
同市の井上満智子さん(84)は「東京都内から引っ越してきて15、16年利用してきた」。同店内の美容院を訪れた帰りに食料品や衣料品を買うのが習慣になっており「ちょっとした用が足りて便利だったのに」と残念がった。

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