2001年に「サッカーワールドカップ予選史上最低の大敗」といわれた試合があった。米領サモアチームが31点差で負けたのだ。
本作の主人公は、その世界最弱のサッカーチームのコーチに就任する。サモアの人々はおおらかで、ストイックな鬼コーチとは相性が最悪。しかし、1ゴールでも決めたいというチームの低い目標は、コーチの熱さに感化され、いつしか勝ちたいと望むようになる。
「勝っても負けても、それを共有できる人がいるのが幸せ」と心の充実感を大事にする選手たち。「血のにじむような努力をして、つかみ取った勝利でしか味わえない喜びがある」と教示するコーチの価値観が混ざった時、世界で一番愉快で魅力的なチームが誕生する。
ユーモア表現に定評のあるタイカ・ワイティティ監督の妙技が光る、クスッと笑えて心温まるスポーツドラマだ。(スターシアターズ・玉城愛鈴)
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