「一」の文字が書かれたくじ 「何回も見直しました」 4度目の挑戦で神男を引き当てた37歳の素顔 愛知・稲沢市の国府宮はだか祭

「国府宮はだか祭」の主役である神男に、ことし選ばれた男性。その素顔や、本人をはじめ男性を支える家族や幼馴染たち、それぞれの思いを取材しました。
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(神男 大桒佑起さん)「(Q:これが実際に選定式で引いたくじ?)本当に、これ(一という漢字)が書いてあるのかと思って、何回も見直しました。これは一生の宝物です」喜びを語るのは、ことしの神男に選ばれた愛知県長久手市の大桒佑起(おおくわゆうき)さん37歳。
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2月11日に行われた選定式で、6人の希望者の中から一番くじを引き当てました。愛知県稲沢市で1200年以上の歴史を積み重ねてきた「天下の奇祭=国府宮はだか祭」。コロナ禍を経て4年ぶりの通常開催です。
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22日の祭のクライマックスは、厄を落とすため「神男」に触れようと下帯姿の男たちが激しく繰り広げる「もみ合い」です。37歳の大桒さんは小学5年の時から20年以上、この祭に参加し、初めて神男に志願したのはコロナ禍前の2019年。そして「もみ合い」が中止になった2021年と22年を除いて今回、4度目の挑戦でようやく一番くじを引き当てました。
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(神男大桒佑起さん)「20年(神男になりたいと)言っていたので、ようやく夢が叶ったっていうのは大きいですね」大桒さんと幼なじみの橋本淳さんは、子どもの頃から一緒にはだか祭に参加してきた親友。大桒さんは「どんな人」なのか、橋本さんに聞いてみると…。(大桒さんの親友橋本淳さん)「先頭で笹持って声出してやっているというのが僕の中の“大桒佑起”。小さい子どもが好きだから、泣いてる子がいたら、おんぶして連れて行ったり」(神男大桒佑起さん)「子どもが楽しければ大人が楽しいのは当たり前だから。子どもが、どれだけ笑っていられるかが、はだか祭の醍醐味だと思う」「笑顔であふれる祭りになれば」と神男の大桒さんは願っています。
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そして2月19日、神男に決まってから8日後、大桒さんは祭りに備えて3日間、神社の儺追殿(なおいでん)にこもる「おこもり」の日を迎えました。神男は身を清めるため「おこもり」の間は白米・たくあん・白湯しか口にできません。その前に、これまで大桒さんを支えてきた関係者や友人達と共に祭前、最後の宴会です。(大桒さんの友人)「佑起が、けがのないように。みんなで協力して儺追殿に上げますので、頑張ってください」「(神男に志願して)4回目ということで、やっとなれたなと。すごいうれしい気持ちなので、今回頑張ってください」
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そして「おこもり」に向け、しきたりに従って神男経験者2人が大桒さんを迎えに来ました。大桒さんの両親は当日の息子の無事を祈るばかり。(神男経験者)「人の呼気って要は二酸化炭素。下に降りてくる。かがんでいると息できない」(父 利仁さん)「酸欠になるっていうのは知らなかったですね」
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22日は国府宮の参道に登場した大桒さんをめがけて、はだか男たちが殺到します。去年はコロナの影響で参加者の人数制限もあり、参道に現れた神男は、わずか20分ほどで儺追殿の中に入ることができましたが、通常開催のことしは、より激しいもみ合いが展開されると予想されます。
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(父 利仁さん)「一人じゃないし、応援してくれる人がいっぱいいるので、無事に(儺追殿に)上がることだけ願ってます」(母 喜美子さん)「特に子どもは、けがするかなって心配。けがをしないように帰ってきてくれたらいいかな」「おこもり」に出発する前、神男は俗世間と縁を切った上で儺追殿に向かいます。
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(父 利仁さん)「みんなの応援のもと(儺追殿に)無事上がれるように。務めを果たしてきてください」(神男 大桒佑起さん)「『(今まで)ありがとうございました』という言葉が先に立つので、全力で頑張ります」
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神男の証として授かった「差定符(さしさだめふ)」を持って、ゆっくりと雨の参道を進む大桒さん。(神男 大桒佑起さん)「最初は神男にようやくなれたんだ、なったんだという思いが強かったんですけど。いろんな人と握手をさせてもらって、いろんな人に言葉を頂いて、いま思うと、神男になれたのではなくて。ならせてもらって、選んでいただいた。皆さんが後ろにいてくれると思って、全力で(儺追殿に)上がりたい」「神男になりたい」と思って20年目、ようやく、その時を迎えた大桒さん。22日、人々の厄を一身に受けて儺追殿に飛び込みます。

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