自宅を訪れた宅配業者の配送員を刃物で切りつけ、宅配物のフィギュアを奪ったとして、強盗殺人未遂の罪に問われた木更津市、無職の男(19)の裁判員裁判の論告求刑公判が16日、千葉地裁(水上周裁判長)であった。検察側は「身勝手な動機の極めて悪質な犯行」として懲役12年を求刑した。弁護側は「少年院での矯正教育(保護処分)が最も必要」と主張した。判決は3月5日。
検察側は論告で「確固たる殺意で複数の凶器を使用して繰り返し刺した執拗(しつよう)で極めて危険な犯行」と非難。「誠実に仕事をしている善良な市民を、心酔するアニメキャラのフィギュアを手に入れるために殺害しようとした」と述べた。
弁護側は、被告は自閉症スペクトラム障害や愛着障害の可能性があると指摘。少年院での矯正教育が必要とした上で「刑罰の場合は懲役3年6月~4年程度が相当」と主張した。
起訴状によると、昨年1月、自宅を訪れた宅配員の50代男性から代金を払わずに宅配物を強奪するため、背中などを果物ナイフと包丁2本で突き刺すなどして全治1年の重傷を負わせ、フィギュア2点(販売価格計5万6980円)を奪ったとされる。