国府宮はだか祭 ことしの神男を親や兄弟のように20年間支えた仲間たちとの絆 4度目で念願かなった思いを知る仲間と祭りの舞台へ

2月22日、いよいよ本番を迎える愛知県稲沢市の天下の奇祭「国府宮はだか祭」。今年の神男を小さい頃から知る地元の人々が、意外な秘話を明かしてくれました。
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厄を落とすため、下帯姿の男たちが激しいもみ合いを繰り広げる「国府宮はだか祭」。16日、祭りで奉納される大鏡餅作りが愛知県あま市で行われました。
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臼に向かい餅をつき続けるこの男性。ことしの神男、大桒佑起(おおくわ ゆうき)さん(37)です。用意された臼は10個。16日は約11時間をかけ4トンの餅をつき上げました。いよいよ本番へ、気合いも高まります。
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13日、愛知県清須市のある家には、大桒さんが神男に選ばれたことを喜ぶ人達の姿が。(橋本強さん)「感無量だったと思います」大桒さんにとって、ここ橋本家は、祭りの期間中お世話になる「宿元(やどもと)」という場所。宿元は、よそから祭りに参加する人のために、古くから続く習わしです。小学5年生の時から20年以上祭りに参加してきた大桒さんは、いまでは家族同然の存在です。
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神男は、19日から祭り当日までの3日間、身を清めるために神社の儺追殿(なおいでん)に入りますが、実の親は神社に入ることを禁じられるため、宿元の橋本さんが代わりに神男の様子を確認する「親代わり」を務めます。大桒さんを、長年我が子のように思ってきた橋本さんも嬉しそうです。
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(“親代わり”の橋本強さん)「普通なら1回、2回で諦めるところを4回までチャレンジして、本当に自力で引き当てたからね。すごくうれしくて」
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橋本さんの息子で大桒さんと同い年、いわば兄弟同然の淳さんは。(「宿元」橋本家の長男 淳さん)「(大桒さんの)顔つきが全然違いますね。先頭で笹持って声出して、やっているっていうのが僕の中の“大桒佑起”。法被を着て出ていくときは、いままで知っている大桒佑起じゃなくて『国府宮の神男』っていう顔に変わるので、その時は『神男なんだな』って」
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4回目の志願でようやく祭りの主役・神男に選ばれた大桒さん。長年一緒に祭りに関わってきただけに、その重みは人一倍感じています。(橋本淳さん)「彼、毎月お参りに行ってるんですよね国府宮に」(神男 大桒佑起さん)「月初めと月末には絶対行くって決めてるんで」(橋本 淳さん)「いくら大阪とかにいても戻ってきて、そういうのも知っているので、やっぱり他の人と違うんだなって。思い入れが」
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月に2回はどこにいても国府宮へ神男選定の祈願に来ていた大桒さん。親への感謝も口にします。(神男大桒佑起さん)「どれだけ親と子どもの頃仲が悪くても、はだか祭だけは絶対に出ていたので、今思うと感謝しかない。そして(神男に)なりたい、ならせてくださいっていうのがあって、ずっとお願いには来ていましたね」
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この日は同じ地区のはだか男も橋本家に集結。神男の大桒さんを支える思いを話しました。(田中義浩さん)「裸でもまれたりだとか、荒っぽいところだけがピックアップされますけれど、実はみんなの厄を最後に納めるっていう優しいお祭りなので、まさにそれを背負ってくれる神男さんだと思ってます。押して(儺追殿に)上げてあげたい。とにかく無事に」(神男 大桒佑起さん)「みんながついていると思ってるんで、安心感は本当に強いです。見捨てないと信じているので、みんながいてくれれば、最後(儺追殿に)上がった時に『佑起、佑起』って(名前を)呼んでくれれば良いかなと思ってます」
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本番まで1週間。今はその日を静かに待つ大桒さんです。

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