浅草の資産家夫婦が4歳次女を「毒殺」の衝撃…過去には両親と姉が相次いで不審死

人気観光地の東京・浅草でホテルと賃貸マンション業を営む資産家夫婦は、何の目的で「薬」を盛っていたのだろうか──。
保育園に通う4歳の次女に向精神薬や自動車用不凍液を摂取させ殺害したとして、父親で「ホソヤ産業」代表取締役の細谷健一(43)と、母親で同社役員の志保(37)両容疑者が14日、殺人容疑で警視庁捜査1課に逮捕された。
昨年3月13日朝、志保容疑者は自宅マンションのリビングで、上半身裸のオムツ姿であおむけのまま意識を失っていた次女・美輝ちゃんを発見。志保容疑者から連絡を受けた健一容疑者が午前9時ごろ「娘が息をしていない」と119番した。搬送先の病院で美輝ちゃんの死亡が確認され、体内からは統合失調症などの治療薬「オランザピン」の致死量と自動車エンジンの凍結などを防ぐ不凍液「エチレングリコール」が検出された。死因は中毒死だった。
夫婦以外、薬物を摂取させることが困難なことから警察は任意で2人を聴取。いずれも関与を否定していたが、ネット通販でオランザピンと不凍液を複数回購入した履歴が残っていた。
美輝ちゃんを巡っては、一昨年、通園していた保育園から都児童相談センターに「顔などに傷やたんこぶがある」という報告が5回あったが、児相は「虐待」ではなく、単なる「ケガ」と判断していた。
夫婦は浅草寺の近くで観光客向けの「浅草ホテル旅籠」を経営し、ホテルから徒歩10分ほどの距離にある10階建てのマンション一棟を所有。最上階の120平方メートルのペントハウスで暮らしていた。
もともと健一容疑者の父親がホテルを開業し、2002年に賃貸マンションを建てた。18年6月、家業を手伝っていた健一容疑者がホソヤ産業の代表取締役に就任すると、4日後に父親が死亡。7月、志保容疑者が取締役に就任した。その5カ月前には母親が亡くなり、同4月には41歳だった姉が薬物中毒のような症状で不審死を遂げている。わずか半年の間に、両親と姉が立て続けにこの世を去った。
「健一は以前、家族で千葉県流山市に住んでいました。台東区に引っ越してきたのは、次女が生まれる2年3カ月前の16年10月です。その際、流山市から台東区に、長男と長女に対して夫婦げんかによる心理的虐待があるという情報が寄せられていた。実際、19年には自宅で夫婦が激しく罵り合い、錯乱状態に陥った志保がマンションのベランダで衣服に火をつけ、ボヤ騒ぎを起こした。この頃から心理的虐待の疑いがあると判断され、児相が美輝ちゃんを含む子ども3人を1年ほど保護していました」(捜査事情通)
美輝ちゃんの死後、10歳の長男と8歳の長女は再び児相に引き取られていることから、子ども3人が夫婦による虐待のターゲットになっていた可能性もある。
「奥さんはいつもすっぴんで髪の毛はバサバサです。浴槽が壊れているそうで、子どもを風呂にも入れず、ほったらかし状態だった。子どもはいつも同じ服を着ていて不潔な印象でした。荷物が片付けられておらず、家の中はグチャグチャ。エレベーター付近まで物があふれ返っていた。インターホンも故障していて、『ノックして下さい』と書かれていました。家事も育児も放棄していた」(近隣住民)
資産家一家で何が起きていたのか。

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