大阪万博に疑問や懸念の声「誰得?」「時代錯誤」 元文春記者も…の画像はこちら >>
『週刊文春』元記者でジャーナリストの赤石晋一郎氏と、同じく元記者でフリーライターの甚野博則氏が、13日に更新されたYouTubeチャンネル『元文春記者チャンネル』に出演。2025年開催予定の「大阪・関西万博」に関する疑問について語った。
大阪・関西万博は2025年4月13日から大阪市此花区の夢洲で開催を予定しているが、建設の遅れや建設費の増大などが報じられている。Sirabee編集部が昨年10月に全国の10~60代の男女1,000名を対象に実施した調査では、建設の遅れについて、約6割が「規模縮小」「開催延期」「開催できない」といった影響を懸念する結果となった。
今年元日には能登半島地震が発生したことから、万博の資材調達が被災地の復旧や復興に与える影響を案じる意見もみられる。
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赤石氏は、万博が当初はカジノを含むIR(統合型リゾート)を盛り上げる目的で開催されるはずだったものの、IRの開業が延期となり「カジノが先送りになって万博だけが残された。誰も責任を取りたくない状態」と切り出す。
昨年末のNHKの報道では、万博に関する建設業界の調査で、全国の約9割近くの企業が、「工事参画に興味がない」と回答していたことも明らかに。
その理由として、地理的条件や工期の厳しさなどが挙げられており、「要は儲からないし、工期も短いからいいことはないだろうということ。こういうイベントごとだと、みんな儲かるから参加したいと思いきや、参加したくない人がほとんど」と指摘する。
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さらに、「この万博、誰のためにやるんですか、という。誰も喜ばないんじゃないかという気もする」とし、「(会場内への)弁当持ちこみ禁止とかの話を聞いて…面白くない万博に入って、弁当を食えないから1,800円ぐらいする飯を食ったりしないといけないんでしょ? 時代錯誤な気がする」と苦笑。
甚野氏が、子供時代に見た「つくば科学万博」(1985年)を振り返り、「パビリオンとかちょっと楽しいなとか…。ロケットか何か展示されていたのかな。宇宙か何かがテーマだった」と話すと、赤石氏は今回の大阪万博が「参加する国もちゃんと決まっていなくて…」と、具体的なテーマや目玉展示などが不明瞭なことに言及した。
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また、建設費の増加や巨額の運営費が取りざたされていることに、「金がじゃぶじゃぶ出ていく状態。でも大阪は赤字補填はしないとか言い始めて。みんな責任は取りたくないっていう状態になってきている。本当に誰のための万博? という感じ。『誰得?』みたいな」と強調。
日本建設業界連合会の宮本洋一会長が、着工が遅れている海外パビリオンの建設について「デッドラインは過ぎている」と発言していたことにも触れ、「そもそもどんな感じでスタートするかも怪しい」と語る。
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万博会場の夢洲と同じ此花区には、人気のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」があることから、「楽しい気持ちになりたいのなら、ユニバに行けばいいんじゃない? 万博よりもユニバが万博だと思えばいいという気もする」と笑う。
「昔は世界との接点が少なかったから、いろんな国のパビリオンがあったらそれを覗き見れて面白いというのはあった。今はみんな海外旅行もしているし、注目的なアイコンがあるわけでもなかったら…」と話すと、甚野氏も「あまり魅力を感じない。客としても」とうなずいていた。
赤石氏らの指摘に、コメント欄では「誰得? って本当に思います」「『時代錯誤』…ほんとその言葉につきますね。海外旅行なんてめったにできなかった時代に庶民が海外の空気に触れることができるば場所だったのかもしれないが、この時代に大金投じて開催することになんの意味もありがたさも感じない」「大赤字になるの分かりきってやるのは行けども地獄か」との声が。
また、「能登出身です。道路や水道も復旧していません。できれば故郷に希望が持てることをお願いします」「大規模なイベントにお金掛けてる場合じゃないと思う」といった意見も見受けられた。