パリッコのおつまみ革命 第40回 約束されたうまさ! 万能「台湾ミンチ」を揚げなすにかけた「台湾なす」

名古屋の「味仙」という中華料理屋さん発祥の麺料理に「台湾ラーメン」があります。

ラーメンの上にのった、辛いひき肉炒め「台湾ミンチ」が最大の特徴で、今や全国的に人気のメニュー。辛いものが大好きな僕は、当然大好物です。

で、そもそもこの、にんにく、唐辛子とともに甘辛く炒められた台湾ミンチ。それ自体がうまいに決まってるわけで、そこから派生した「台湾まぜそば」とか「台湾丼」などといった料理を提供しているお店もあり、実はものすごく応用の効く食材なんですよね。

そこでなにか、主食ではなくておつまみに応用できないか? と考え、思いついたのが、揚げなすに台湾ミンチをたっぷりとかけた、「台湾なす」。「麻婆なす」の変化球版と言えなくもなさそうで、そんなの、どう考えたって美味しいに決まってるはず!
○揚げなす同時調理がポイント

それでは作っていきましょう。

まずはなすを縦半分に切り、表面に斜めに切り込みを入れて、さらに縦半分に切ります。

次に、フライパンにたっぷりと油をひき(底から5mmくらい)、刻みにんにく2、3かけぶんと、輪切りにした鷹の爪2、3本ぶん(辛いのが好きなら種ごと)を加え、弱火にかけます。

油がじわじわとしてきたら、さっきのなすを皮目を下にしてフライパンに並べましょう。

はいここ! ここが今日のポイント!

つまりですね、台湾ミンチの土台となる、にんにくと唐辛子の香りをつけた油。これを作ると同時に、揚げなすを作ってしまうというわけなんです。これにより、時短にもなりつつ、なすにもいい香りがついてしまうという嬉しい効果が。いや実際、思いつきでやってみたんですがうまくいってしまいました。

たまにひっくり返してみて、なすの皮がぱりっとしたら上下を返し、10分弱くらいで揚げなすはとろりと仕上がるでしょう。

ここからはなるべく迅速に、台湾ミンチを作っていきましょう!

今回はたっぷり200g。多すぎたかも。まぁしかし、多すぎてまずいということはないので。

全体がなじんだら火を止め、ざく切りにしたニラを投入。

ニラには余熱で火を通すくらいが、シャキシャキ感が残っていいです。

あとはこれをさっきのなすと合体させれば、

とろっと甘いなすとピリ辛台湾ミンチのハーモニーで、ビールもごはんもすすみすぎてしまうことでしょう。

ちなみにこの台湾ミンチ、写真を見ればお気づきかと思いますが、今回は多すぎくらいになっています。なので、一部をタッパーなどにとっておいて、別料理に使っても。冷蔵で2、3日は持つと思いますよ。
○【材料】※目安です。分量はお好みでどうぞ。

・なす:2本
・ひき肉:200g
・にんにく:2、3かけ
・鷹の爪:2、3本
・ニラ:1/2束
・醤油:大さじ1
・砂糖:大さじ1/2
・みりん:大さじ1/2
○【作りかた】

1.フライパンにたっぷり目の油をひいて、刻んだにんにく、鷹の爪を入れて弱火にかける。
2.油が温まったら、切ったなすを皮目を下にして並べる。
3.皮目に火が通ったらひっくり返し、なすにとろりと火が通ったら別皿にとっておく。
4.同じフライパンにひき肉と調味料を加えて手早く炒める。調味料は、めんどうならばめんつゆとかでもたぶん問題なし。
5.ひき肉に火が通ったら火を止め、カットしたニラを加えて全体を混ぜる。
6.完成した台湾ミンチをなすにかける。

パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら

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