政治で何か問題が起きるたびに「いつまでそんなことをやっているのか」と声が上がることがある。もっと大事なことがあるだろうと。でもそれは「いつまでもクリアにしないから問題が続く」という場合がほとんどだったりする。当事者がのらりくらりと時間を稼いでいるようなものもある。
ここ数日の例で言うなら自民党の政治資金に関する全議員アンケートだろう。質問はわずか2問だった。政治資金パーティーを巡り、政治資金収支報告書への不記載があったかどうかと、不記載があった場合はその金額について回答を求めただけ。
これをもとに調査を進めるらしいが、本当に自浄作用できるのだろうか。というのも既視感があるからだ。2年前に旧統一教会問題に焦点が当たったとき、自民党は国会議員の過去の教団との接点に関する「点検」結果を公表した。だが、お手盛り感がすごく、各議員の自己申告による不十分な内容だった。ただただ時が過ぎるように祈っているように見えた。
さっそく最近も点検のザルぶりが露呈。盛山文科相と教団の関係が報道された。盛山氏は選挙支援については点検で明らかにしていなかった。疑惑をうやむやにしたまま、幕引きを図ろうとした党全体の姿勢の結果がこうなったとも言えないか。そのまま政治とカネの問題に引き継がれている。
国会での岸田首相の答弁も疑問だ。何か問われると「真摯(しんし)に議論していきたい」と先のほうに話をズラす。あの、そこ、国会ですよ、いま議論したらどうでしょうと教えたくなります。これも「いつまでそんなことをやっているのか」という“声援”待ちなのか?
ただ、幸いにして国会は調査もできる場だ。有権者には選挙という判断の場もある。「自浄作用」ができないのなら次へ行きましょう。(時事芸人)