家屋倒壊や家具転倒が原因の「圧死」が41% 被災地から見えてきた“倒壊リスクの高い家” 能登半島地震

(佐藤楠大アナウンサー)今、改めて注目されている家具の固定がどれほど大切なのか。能登半島地震で犠牲になった241人のうち、222人を対象に警察庁が死因を調べたところ、家屋の倒壊や家具の転倒などが原因の「圧死」が92人で、全体の41%と最も多くなっています。
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また、圧死の中に含まれていない、窒息、呼吸不全、低体温症、凍死、外傷性ショックなども、家屋の倒壊や家具の転倒などが原因の可能性もあります。
(柳沢彩美アナウンサー)大石さんは、先日能登半島の被災地を取材しましたが、現地はどうでしたか。
(大石邦彦アンカーマン)能登半島の各地を取材してみると、多くの家屋が倒壊している現状が見えてきました。輪島市は、火災の印象がありますが、建物の倒壊も相次いでいました。2階の重みで1階が垂直に潰れていたり、建物が倒壊して道を塞いでしまったりしていたんです。
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一階が店舗だと通り側の開口部が大きいので、そこから潰れてしまっていました。建物の中を見ると、倒壊はしていなくても家具があちこちに散在。これにより、怪我をしたり逃げ遅れたりしてしまうことも考えられるので、十分気をつけなければいけないと改めてわかりました。
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(柳沢アナ)倒れている建物に、共通点や傾向というのはあるんでしょうか。
(大石アンカーマン)ありました。基本的には古い木造住宅が中心に倒れていました。細かく見ていくと、まず「屋根が重い」というのが一つ。例えば古い屋根だと、下に土が敷いていて、土の重みと瓦の重みでどうしても重たくなってしまう。今は軽量のものが出ていて土も敷いていないので軽いんですが、昔のものはどうしても重くなります。
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そして、補強部材の「筋交いが少ない」。「壁が少なく開口部が多い」。また、柱と柱、柱とはりの「接合部に金物が使われていない」などの家が中心に倒れていたようなんです。
(柳沢アナ)能登半島の地域の特性も関係あるんでしょうか。
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(大石アンカーマン)今回、名古屋大学の福和伸夫名誉教授と共に被災地を歩いてきました。福和さんは「能登半島は高齢化と過疎化で、家屋の建て替えや耐震改修が進んでいなかったから」と話していました。珠洲市の耐震化率は51%、輪島市は50%を切り、46.1%なんです。
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(柳沢アナ)耐震化が大切ということはわかりましたが、実際にどうしたらいいのか迷っている方も多いと思います。
(大石アンカーマン)まずは、年代を見てください。1981年以前に建てた建物は、古い耐震基準で建てた建物なので、耐震性が不十分と言われてます。そのため、1981年以前に建てた方はぜひ耐震診断をしてください。耐震診断を無料で行っていたり、耐震改修の補助金を出す自治体もあります。お住まいの地域の自治体ホームページなどで確認し、地震が起きる前にしっかりと対策を行いましょう。
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