被災地の“迷惑物資”になりかねないもの、問題点にショック 「…の画像はこちら >>
新年早々、甚大な被害をもたらした令和6年能登半島地震から1ヶ月経った。3日から、石川県輪島市内で仮設住宅の入居が始まり、少しずつ被災地の復興支援が進んでいる。被災地に支援物資を送ろうと考える人も多いだろう。
以前、ネット上では「迷惑な支援物資」になりかねないものが注目されて…。
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ことの発端は、1月11日に公益社団法人「日本図書館協会(JLA)」が公式ホームページで公開した文書。「被災した図書館へ支援を考えている皆様へ」と題した文書には、「緊急支援物資などで、被災地、特に避難所に直接、本を送ることはやめましょう」と記載されていたのだ。
本を送らないよう呼びかけるとともに、被災地支援に関して「興味関心を持ち、エールを送り続け、傾聴することが、被災地にとって励みになります」と、長期的に関心を持つことが大切だとしている。
日本図書館協会が、一般の人に向けて本を送らないよう呼びかけるのは珍しい。
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「被災地に本を送らないで」という注意喚起はネット上でも話題に。
「被災地にあんな重いもの送ったらダメだろ」「送る方はこれだったら喜ばれるとか色々考えてるんだろうけどなぁ…」「本は運ぶのも仕分けするのも重労働だと思う」「必要なタイミングもあるかもしれないけど今じゃないと思う」など、日本図書館協会の呼びかけに共感する声があがっている。
被災地に本を送ることは好ましくないのだろうか。日本図書館協会に取材したところ、様々な事実が明らかになったのだ…。
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日本図書館協会の担当者は、今回の呼びかけに至った背景に関して、「被災地から『本を送って欲しい』という声がある時に送るのは問題ないと思います。そうでない時に本を送ると、避難所の場所を塞いだり、受け取る手間や運ぶ手間が発生します。今回のお願いは、避難所等への問い合わせを控え、被災地に関心を持っていただきたいという思いもあります」と説明する。
必ずしも被災地に本を送ることが悪いわけではなく、現地で必要とされていない時に送ると、被災地の人にとって「迷惑物資」になってしまう可能性があるということだ。
特に、今回の呼びかけが行われた1月11日は、食料や毛布、携帯・簡易トイレ、トイレットペーパーなどが必要とされた時期。大量に本を送ることが求められていたとは言い難い。
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1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災の時も、被災地で求められていないにも関わらず、本が送られるケースがあったという。特に、東日本大震災では、送られた後の処理に困ったようだ。
担当者は、「大量に送られた本は10年以上処理できず、空き教室に置いたままになっていました。個人だけでなく、企業や団体から送られることもあったようです。そうした方達に悪意はなく、良かれと思ってやったことだと思うのですが…」と表情を曇らせる。「善意」によって届けられたはずのものが、被災地の人々を悩ませていたようだ。
能登半島地震から1ヶ月経った。被災地復興のため、何らかの支援をしたいと考えている人は、現在被災地で何が必要とされているか確認してほしい。
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斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。