「自民に裏金議員はいるの?」と岸田首相が問われて仰天回答「いないとは申し上げないが」

「(“裏金”の)定義によって“裏金議員”かどうか決まるということだと思います。だからこそ、裏金議員がいないとは申し上げませんが、これは裏金という言葉の定義が文脈によって変わりうるということから、より的確な言葉を使うことが重要だと申し上げています」
そんな禅問答のような答弁をしたのは、内閣総理大臣である岸田文雄首相(66)だ。2月6日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の山岸一生衆議院議員(42)の質問を受けてのことだった。
山岸議員は「総理は裏金という言葉を本当にお使いにならない」と指摘したうえで、こう続けた。
「自民党の政策集団の政治資金の不記載の問題と非常に長い言葉をおっしゃる。派閥の裏金。僕らが議論しているのは、この派閥の裏金問題ですよね?」
それに対し、岸田首相はこう反論する。
「裏金という言葉については、文脈・人によって意味・内容が異なりうる、こういった実情であるからして、私として平素から客観的にわかりやすい言葉を使っているということであります」
それに対し、山岸議員は広辞苑を引用したうえで、“裏金”に<公式の帳簿に記載しない、自由に使えるように不正に蓄えた金銭>という意味があることを指摘。しかし、岸田首相は、それでも“裏金”という言葉が多義的だと主張し、頑なに現在の問題が自民党の裏金問題であると認めようとしない。
ついに、山岸議員が「自民党には裏金議員はいないのか?」と問うと、冒頭のように答えたのだ。つまり、“裏金議員”がいるかどうかは、その言葉を使う人それぞれということ。
かつて、野党時代の自民党は“裏金”という言葉を使って、当時の民主党政権にあった金銭スキャンダルを追及していたのだが、野党議員としてその応酬を岸田首相はどんな思いで見守っていたのだろうか。
“派閥”を“政策集団”に、“裏金”を“政治資金の不記載の問題”に言い換える岸田首相。今度はどんな新しい言葉の「言い換え」を見せてくれるのか、目が離せない。

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