国内外で活躍するヴァイオリニストの澤田智恵さんが31日、能登半島地震復興支援のチャリティーコンサートを東京・墨田区の東京東信用金庫両国本部で行った。J.S.バッハの「G線上のアリア」など5曲を披露。最後はステージを下りて復興支援ソング「花は咲く」を演奏、約150人の観客が歌を奏でて被災地にエールを送った。
「東京東信用金庫×城南信用金庫」共催でチャリティー実現
このコンサートは、澤田さんの呼びかけで城南信用金庫との共催で実現。既に被災地に簡易トイレや毛布などを届ける支援活動を行っている東京東信用金庫の中田清史理事長は冒頭に「信金の原点である相互扶助、共存共栄の理念を念頭に、全国のネットワークを活用して今後も被災地支援を継続していきたい」と挨拶。
2月7日に同様のチャリティーコンサートを行う城南信用金庫の川本恭治理事長も「現地の信金からは、これからいかに心折れずに前向きに進んで行くか大変重要な局面で、力強い応援をしていただきたい、というお話をいただいている。今日の皆様の温かいお気持ちを現地に届けたい」と話した。
今回の発起人となった澤田さんは国立音楽大を卒業後、国内での演奏活動を経て、2007年からロシア三大音楽院の1つ、国立グネーシン音楽院に留学。その後、ウクライナ出身の世界的ヴァイオリニスト、オレグ・クリサさんに師事し、18年には日本ウクライナ芸術協会を設立。
同年の西日本豪雨災害でチャリティーコンサートを開始、20年からはウクライナや医療従事者などの支援コンサートを積極的に行っており、この日のチャリティーコンサートも日本ウクライナ芸術協会が後援に加わった。
澤田さんは戦時下にあるウクライナの現状にも触れつつ「人の命が一番大事で、命が尊重されないことはすごく悲しいことですけれど、私たちの音楽でもって私たちの命を喜び、お互いの大事なものを、大事に思えるように、そういう心を育んでいきたい」と話した。
なお、この日集まった義援金は能登地域の信用金庫を通じて被災者に届けられる。