風俗店従業員を殺害 被告に懲役13年 千葉地裁、心神耗弱と判断 「覚醒剤の影響著しく」

風俗店の男性従業員=当時(27)=を包丁で刺して殺害したとして、殺人や覚醒剤取締法違反などの罪に問われた無職、押田慎也被告(35)=旭市=の裁判員裁判の判決公判が2日、千葉地裁であり、福家康史裁判長は懲役13年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。弁護側は殺人罪について被告が心神喪失状態だったと無罪を主張したが、福家裁判長は「心神耗弱状態だった」として、一定の責任能力を認めた。
福家裁判長は判決で「急性覚醒剤中毒や覚醒剤精神病の影響は著しかった」と指摘。一方で「デリバリーヘルスのキャンセル料を請求されたという現実に根差した不満から犯行に及んだ側面もあり、正常な精神作用による部分が残っていた」と述べた。
その上で「殺人の犯行当時、行動制御能力が著しく低下していたものの、その能力は失われていなかった」として、被告は心神耗弱状態だったとした。
福家裁判長は「逃げる被害者を追いかけて多数回突き刺すなど、犯行態様は執拗(しつよう)で悪質」と指弾し「心神耗弱状態で犯した同種事件の中で、比較的重い部類に属する」と量刑理由を説明した。
判決によると、2022年12月、覚醒剤を使用した後、旭市で男性とデリバリーヘルスのキャンセル料を巡りトラブルになり、男性を包丁で刺して殺害。旭署で取り調べを受けた際、供述調書の指印部分を破って口の中にいれた。

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