交換したミサイルの使い道とは?
イギリス政府がドイツに対し、巡航ミサイルの交換協定を提案したことが2024年1月24日、ロイター通信で報じられました。
「ミサイル交換しない?」イギリスがドイツ政府に提案 その狙い…の画像はこちら >>「タウルス」巡航ミサイルを搭載したF/A-18。矢印の指す搭載武装が「タウルス」(画像:スペイン空軍)。
ドイツは、空中発射型の巡航ミサイルでスタンドオフミサイルに分類されるKEPD 350「タウルス」を保有し、ウクライナへ供給する案も何度か出たこともあります。しかし、同ミサイルがロシア領への攻撃に使用され、ウクライナ・ロシア両国間の争いにドイツが巻き込まれる可能性への懸念から、慎重な姿勢を取っていました。
そこで、ドイツ側の懸念を解消するべく、イギリスが「タウルス」を購入し、そのおかげで余剰になった、同じような性能を持つ巡航ミサイルである「ストーム・シャドウ」をウクライナへ供給するというのがイギリスの案です。「ストーム・シャドウ」は、フランスの同型ミサイルである「SCALP-EG」と共に、既にウクライナ空軍が戦闘で使用し、複数のロシア艦艇を撃破する戦果をあげています。
こうした方式の供給方法は2023年12月22日に決定した、日本が「パトリオット」地対空ミサイルのPAC-3をアメリカに輸出する方法にも似ています。同件では、“戦闘が行われている国”へは輸出できない、日本のPAC-3をアメリカが購入することで、アメリカで余剰となったPAC-3とPAC-2をウクライナに供給するという計画が考えられました。
なお、ドイツ政府は今回の協定に関して今のところ明言は控えています。