新潟県新発田地域振興局が発注した工事をめぐる官製談合事件の判決公判が1月29日、新潟地裁で開かれ、当時の農村整備部長らに有罪判決が言い渡されました。
去年、県新発田地域振興局が発注した工事の入札をめぐり、事前に予定価格を業者に漏らしたなどとして元農村整備部長の鶴巻博文被告や建設会社・岩村組で当時顧問を務めていた本田任被告ら4人が逮捕・起訴された事件。
去年12月に行われた初公判では…
【鶴巻被告(初公判時)】
「これまでもやっているというので、やらざるを得ないと思って教えてしまった」
【本田被告(調整役を認める)】
「みんなが潰れないで頑張れるように仕事を振っていた」
こう話し、4人とも起訴内容を認めていました。
また、鶴巻被告の発言から組織的な関与の疑いが浮上し…
【花角知事】
「改めて綱紀粛正・服務規律の確保を徹底しなければいけない」
県は歴代の部長に対し、聞き取り調査を実施。
この調査で、漏えいに関しての引き継ぎは確認されなかったものの、過去に価格を漏らしたと認めた人が複数いることが分かっていて、県は現在、調査結果を取りまとめています。
そして迎えた29日の判決公判。
【鶴巻被告】
「県や多くの県民の皆さんにご迷惑・ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」
【本田被告】
「たくさんの人に迷惑をかけて猛省しています。本当にすみませんでした」
謝罪の言葉を述べた2人…新潟地裁の石黒瑠璃裁判官は「鶴巻被告が予定価格を教示しなければ本件各犯行は不可能であった」などとして、鶴巻被告に懲役2年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。
また、本田被告に対しては「極めて重要な役割を果たし、相当長期間にわたり土木建築業者の中心となって入札妨害を繰り返す中で各犯行に及んでいた」などとして懲役1年6か月・執行猶予3年の判決を言い渡しました。
また、須貝被告と佐久間被告に対しては懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡しています。
弁護側は控訴しない方針です。