JALが約20年ぶりとなる新型長距離国際線旗艦機「エアバスA350-1000」を就航させました。この機の運航を支えるパイロット、CAは、この機をどのように見て、今回の就航をどう捉えているのでしょうか。
JAL(日本航空)が2024年1月24日から、約20年ぶりとなる新型長距離国際線旗艦機「エアバスA350-1000」を就航させました。この機の運航を支えるパイロット、CA(客室乗務員)は、この機をどのように見て、今回の就航をどう捉えているのでしょうか。
JAL 20年ぶりの新型国際線主力機、パイロットらはどう評価…の画像はこちら >>ニューヨークJFK空港に到着したJALのA350-1000定期便初便(乗りものニュース編集部撮影)。
「多くの方々の初就航への期待を感じながらのフライトでしたので、無事に終われてホッとしたというのが率直な思いです。特に大きな問題もなく、本当に素晴らしい飛行機だなと実感しました」。こう話すのは初便となる24日羽田発、アメリカ・ニューヨーク行きのJL6便を担当した機長です。
同社ではA350-1000の就航に先駆け、2019年より国内幹線用主力機として、姉妹機でA350-1000より胴体長が少し短い「A350-900」を導入しています。この姉妹機を、フライト時間が短い国内と長距離国際線で使ったことによる違いはあるのでしょうか。同氏はA350-900とA350-1000の操縦感覚の違いを次のようにコメントしています。
「-900よりも胴体が長い分、地上走行での旋回時にいつもと違って少し大回りに回る感じで操縦しました。離着陸などの操縦性は全く違和感ありませんでした」
同氏は乗務前に実機を見る機会がなく、マニュアル類の読み込みと、過去にこの機でフランス(エアバスの本社があるトゥールーズ)からのフェリーフライト(機体受領のための回送運航)をしてきたクルーの話を聞いてイメージをつくったとか。「国内線と違い、離陸重量も大きいので、性能面は特に気にして見ていました。ただ、ずっと国内線で乗務していた機材(の姉妹機)だったので、操縦を交代しながら長時間飛ぶのは少し不思議な感覚でした」と話します。
そしてフランスからのフェリーフライトを担当したパイロットは「使われている部品の90%以上がA350-900とA350-1000では共通なので、操縦に違和感はほとんどかわりません。-1000で新装備された機能もあるのですが、そこは事前に学習していたので、普段のA350-900と変わらないかたちで運航できました」と話します。
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JALのA350-1000定期便初便を担当した乗員(乗りものニュース編集部撮影)。
一方、定期便運航初便を担当したCAを統率した担当者は、このフライトで初めてA350-1000の客室に入ったとのこと。指名をうけたときには「言われてびっくりしましたが、栄誉なことだと思いました」と話します。「この便を担当したCAは、会社からのインフォメーションを確認したうえ、そのデータを自分の頭のなかで3D化をするようなイメージトレーニングなどを行いました」と今回のフライトにむけての準備を振り返ります。
A350-1000ではファースト・ビジネスクラスに同社初の完全個室型シートが導入されましたが、それによって乗客対応に変化などがあったのでしょうか。
「今日に関しては、とくにやりづらさもなかったですし、むしろお客様は個室からの会話を楽しんでいらっしゃる感じでした」と話したうえ、「A350-1000の客室に入ったときカッコいい!そして未来的な飛行機だなと感じていました。初便ではお客様からもすごく快適な機体だとの声をいただけています」と話します。