40代は「経済的なゆとりがある」人の割合が最低 – 理由は?【働く1万人調査】

パーソルホールディングスはこのほど、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表した。調査は2023年3月、15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人100,000人を対象に、オンラインで行われた。
○「暮らしにおける時間的なゆとり」はある?

「暮らしにおける時間的なゆとり」について、「ある」と答えた割合が最も少なかった年代は30代(34.4%)で、次に少なかったのは40代(36.3%)という結果だった。

○「仕事をする際に心のゆとりがある」60代は半数超

「仕事をする際に心のゆとり」について、「ある」と答えた割合は、60代が51.6%で最も高く、40代が31.0%で最も低かった。

○「経済的なゆとりがある」人の割合は40代が最低

「経済的なゆとり」について、「ある」と答えた割合は、10代が35.7%で最も高く、40代が23.6%で最も低かった。また、「1か月のおこづかい(自由に使えるお金)はどれくらいですか?」という質問に対して最も多い額を答えたのは20代であった。なお、40代は10代を除けば最も少ない金額だった。

世界の多くの国で、40代後半に人生の幸福度が最低水準となることが、米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授による132カ国への調査で判明しているという。「この事実は、本調査データから見えてきているような、仕事をする際の時間的、精神的、経済的な”ゆとり”が、40代でいずれも低いことと無関係ではないだろう」とは、パーソル総合研究所の金本麻里氏。

金本氏はさらに、「仕事において、40代は管理職など責任あるポジションにつくことが多い。昨今は労働力不足や働き方改革により、特に管理職の負担が増加している。また、40代ではプライベート面で親の介護、子育てをしている人であれば、自宅のローンや学費などの出費もかさみ経済的なゆとりも減少する。共働き・共育て世帯が増加していることで、以前よりも1人ひとりのゆとりが減少していると考えられる」と考察。「さまざまな”ゆとり”が減少する40代をサポートする意味でも、管理職でも介護・育児と仕事の両立など、個別事情に配慮したはたらき方ができるよう、組織体制や業務設計を柔軟化していく必要があるだろう」とも述べている。

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