「扉が勝手に開く」液状化の被害を受けた二世帯住宅 傾いた家の土台修繕の試算800万円超…【新潟市】

ボランティアによる支援の続く新潟市西区では住民が傾いた自宅に応急的な対処をしながら生活しています。この先の暮らしへの不安を聞きました。

【松村道子キャスター】
「西区善久地区です。地震から半月が経ち、道路の陥没には応急的な処置が施されていますが、全体的に道路は大きく波打っています」

その善久地区で地震により生じた自宅前の段差を埋める作業をしていたのは、小林清次さんと妻・立子さんです。

【小林清次さん】
「この下(玄関前)は道路と、本当は平ら」

【小林さんの妻・立子さん】
「道路を直してもらわないと車が停められない。家も直せない」

家の前の市道が修繕されないと自宅の修復に取りかかることができないと話します。

【小林清次さん】
「そんな1~2カ月で道路工事は終わらないし、そこを早くやってほしいんだけど」

自宅の中では、傾きが確認されています。ビー玉を転がすと…

【松村道子キャスター】
「ビー玉の速度がどんどん速くなっていきますね」

浴室の扉も…

【小林清次さん】
「(扉を)閉めて…、こう開いてくる」

【松村道子キャスター】
「先ほどのビー玉と同じでリビングの奥に向かって下がっていくわけですね」

【小林さんの妻・立子さん】
「歩いてくると斜めになっているのが何となくわかる。そのうち体調が悪くなるかなという気はする」

息子夫婦、そして孫と暮らす8年前に建てた2世帯住宅。

住宅ローンの返済が続く中、土台を修繕する工事には800万円~1000万円かかると試算しています。

【小林清次さん】
「やっぱり俺らは年金暮らしだし、お金もないし。若い人に任せるしかない」

【小林さんの妻・立子さん】
「地震保険には入っているが、どの程度出るのか」

行政支援の基準にもなる新潟市の住宅調査はすでに終わっていて、今はその結果を待っています。

一方、西区寺尾上で応急危険度判定の「危険」の張り紙が貼られた建物。

40年前、ここに事務所を構え、子どもたちに演劇などを提供したり、親子の居場所をつくったりしてきた「おやこ劇場」です。

【おやこ劇場新潟県センター 柳弘紀 事務局長】
「この建物自体、基礎が全部割れてしまった状況。見た目は建っているが、ゆがんでいるので中に入ると危険」

移転先を探す一方、公民館に部屋を借りることで赤ちゃんとその親に居場所を提供する取り組みを何とか続けているといいます。

【おやこ劇場新潟県センター 柳弘紀 事務局長】
Q.半月経つが
「全然…どうしようもない。行き先がないから、とりあえず荷物をまとめている状況。今まで東日本大震災では支援をしたが、自分たちが被災者になる想定はなかなかしていないもの、人間はね」

被災地が日常を取り戻すまでには長い道のりが待っています。

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