千葉県教委は17日、酒気帯び運転した県教委東上総教育事務所の山口晋指導主事(50)を免職にするなど、計9件の懲戒処分を発表した。県教委の本年度の懲戒処分は本人処分が33件、監督責任を含めると44件となり、いずれも2004年度の統計開始以来、過去最多を更新した。
県教委によると、山口指導主事は昨年10月10日午後、千葉市の自宅駐車場で220ミリリットルの焼酎を複数本飲んだ後、自家用車を運転し、駐車中の車や花壇などに接触する事故を起こした。道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで県警に翌日逮捕され、現在は任意で捜査を受けている。
県教委の聞き取りに「記憶がなく、なぜ飲酒運転したか分からない」と話している。
免職は他に2件。県立高校の50代の男性教諭は昨年1月ごろから11月、顧問を務める運動部の女子生徒4人の体を校内などで計20回以上触るわいせつ行為を行った。性的な言動も繰り返していた。「身体接触した可能性はあるが意図的ではない」と話しているという。監督責任で校長は減給10分の1(3カ月)。
県立高校の20代の男性教諭は昨年12月7日、県内で18歳未満の女性のスカート内にスマートフォンを差し向け、盗撮行為を行った。監督責任で校長は戒告。
県立千葉女子高校の男性教諭(59)は減給10分の1(1カ月)。教諭は22年5月28日と9月19日~10月22日、元同僚の女性教諭の自宅や勤務先付近をうろつくストーカー行為を行った。ストーカー規制法違反の罪で千葉簡裁が罰金30万円の略式命令を出し、教諭は納付した。
県教委児童生徒安全課の男性副主査(30)と県立千葉大宮高校の女性教諭(47)は生徒とSNSで私的なやり取りをしたとして、柏市の公立中学校の男性教諭(36)は管理職の許可なく生徒を自家用車に乗せたとして、それぞれ戒告処分を受けた。
これまでの懲戒処分件数の最多は本人処分は27件(15年度)、監督責任を含めると36件(19、20年度)だった。最多更新を受け、冨塚昌子教育長は「特に児童生徒への性暴力と飲酒運転が複数件発生していることは痛恨の極み。県教委と学校、市町村が一丸となり、不祥事根絶に取り組んでいく」とコメントした。