禁錮3年判決の米兵、服役中に本国へ移送され仮釈放 静岡の3人死傷事故 米上院議員「日本は米兵家族と米国に謝罪すべき」

静岡県富士宮市で2021年5月に3人を死傷させた自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮3年の判決を受け、服役中に米国へ移送されていた米海軍兵が12日に仮釈放されていたことが分かった。米CNNが報じた。米兵の本国送還や釈放を求めてきた米上院のマイク・リー議員は13日、X(旧ツイッター)に「日本は(米兵の)家族と米国に謝罪すべきだ」と投稿した。(平安名純代米国特約記者、東京報道部・新垣卓也) 林芳正官房長官は15日の定例会見で、リー議員の投稿への見解を問われ「(事故を巡る報道などは)承知している。個別事案に関する事柄で、他国議員の個別の発言へのお答えは差し控える」と述べた。その上で「法に基づいて適切に対応されていると承知している」との考えを示した。 CNNによると米兵の家族が連邦議会やホワイトハウスに働きかけ、国際受刑者移送協定が適用されたという。米兵は、横須賀基地に所属していたリッジ・アルコニス受刑者。公務外での運転中に眠気を催し、飲食店駐車場に突っ込み富士宮市の男女2人を死亡させ1人にけがを負わせた。 米兵は家族と訪れた富士山から帰宅途中、運転中に急性高山病に襲われ意識を失ったために起きた事故で過失ではないと訴えたが、22年7月に退けられた。 米兵の家族は審理中に日米地位協定違反があったと主張。さらに外国で有罪判決を受けた受刑者を本国に移送し、服役させることが可能な国際受刑者移送条約の適用を求め、ハリス副大統領とサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も日本側に協力を要請していた。 リー氏はXで海外派遣中の軍人、家族には直面するリスクがあるとした上で「予測不能な医療上の緊急事態による交通事故で投獄されることはあってはならない」と投稿した。 国際受刑者移送条約に米国は02年、日本は03年に加入。服役中の受刑者と日本政府、米政府の全てが同意した場合、移送を可能にする。日米地位協定に基づく米軍関係者も対象となる。 米CNNは、海軍の調査で同米兵が急性高山病で意識を失ったことが結論づけられ、共和党の上院議員20人も昨年8月に岸田文雄首相に米国への身柄の引き渡しを要請したなどと背景を伝えている。禁錮3年判決の米兵、服役中に本国へ移送され仮釈放 静岡の3人…の画像はこちら >>

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする