飛行すれば世界で唯一「零戦32型」アメリカで公開! ポイントは角張った翼端の形状

新造機だからこそ飛べます。
アメリカにある「MILITARY AVIATION MUSEUM(ミリタリー アビエーション ミュージアム)」は2024年1月12日、公式X(旧Twitter)でレストア中であった「A6M3」が飛行可能な状態に近づいていると発表、その様子を動画で公開しました。
「A6M3」とは第2次世界大戦中に旧日本海軍が使用した零式艦上戦闘機、通称「零戦(ゼロ戦)」の32型のことです。
飛行すれば世界で唯一「零戦32型」アメリカで公開! ポイント…の画像はこちら >>MILITARY AVIATION MUSEUMが取得した新造の零戦32型(画像:MILITARY AVIATION MUSEUM)。
零戦32型は、各型合計で1万機以上が造られた零戦シリーズのなかで唯一、主翼端が角型のモデルです。ゆえに登場当初、アメリカ軍は別機種と認識しており、「Zeke」という零戦識別用のコードネームとは別に、32型にだけ「Hamp」という名称を付与していました。
生産数は343機とほかのタイプよりも少ないため、現存する零戦32型は、これまで福岡県筑前町の町立大刀洗平和記念館で展示・保管されている機体が世界で唯一といわれていました。
今回、MILITARY AVIATION MUSEUMが公開した零戦32型は、ワシントン州エバレットのレジェンド・フライヤー社が、リバース・エンジニアリングで組み立てた新造機になります。リバース・エンジニアリングとは、現存する残骸などから部品ひとつひとつの形状や寸法を割り出し、新たな部材を複製し、それを組み立てて新製することです。
第2次世界大戦中に製造された残存機をレストア(修復)したわけではないため、前出の大刀洗平和記念館に残る実機とは性格が異なるものの、新造機であるため飛行が可能なのがメリットになります。
事実、エンジンについては取得しやすく整備部品なども豊富にあるプラット・アンド・ホイットニー(P&W)製の空冷星型エンジンを搭載しています。
動画では、飛行場内をタキシングする様子が確認できます、なお、近いうちに初飛行にも挑むそうで、現在それに向けた準備を進めているとのことでした。

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