芸能界きっての愛犬家として知られる坂上忍が、ネット上で議論となっている航空機への「ペット持ち込み」論争に言及。この話題に触れたペット好き著名人が次々と炎上しているが、坂上は「乗せる乗せないという選択をするのは人間」「航空会社をどうのとは思わない」などと冷静に発言し、多くの賛同を集めている。
1月2日に羽田空港で起きた日航機と海上保安庁の航空機による衝突事故では、日航機の乗員・乗客全員が奇跡の生還を果たした一方、貨物室に預けられていたペット2匹が犠牲になったと報じられた。
これに対して、一部ネット上では「ペットが貨物扱いなのはおかしい」「客室に持ち込めていたら一緒に逃げられた」といった声が噴出。さらに、愛猫家のフリーアナウンサー・笠井信輔が自身のSNSで、海外ではペット同伴可能の航空会社もあるとした上で、「始発便の最後列・数例のみ1人分の追加料金徴収など条件を定めて、日本でも試験的に始めてみては、どうでしょうか」と提言した。
この笠井の投稿に返信する形で、同じく猫好きで知られる石田ゆり子が「いろんな意見があると思いつつも家族同然の動物たちを機内に載せる時、ケージに入れて機内に持ち込めることを許して欲しいです。災害時、非常時には、モノとしてではなく家族として、最善を尽くす権利を…。生きている命をモノとして扱うことが私にはどうしても解せないのです」と発言した。
こうした意見については、動物好きからは一定の支持があったが、その一方で「客室にペットを持ち込めたとしても人命第一で置き去りにするのは変わらないと思う」「動物アレルギーの乗客がいたらどうするの」「大型犬や周囲に危害を加える可能性があるペットは? 同じ命なのに区別するの?」などと批判が相次ぎ、炎上騒動になっていた。
一連の騒動を受けて、坂上は12日にYouTubeで実施したライブ配信で「貨物扱いのワンちゃんがお亡くなりになったということで『なんで荷物扱いしてるんだ』『なんで同席させないんだ』っていうような論争なわけでしょ?」と切り出し、率直な意見として「難しい問題だけど、正直に言うなら、飛行機で動物を貨物扱いするのは僕もそりゃ好きじゃないです」「同席できるなら、それに越したことはない」と語った。
その一方、海外では動物同伴が可能な航空会社があるという意見について、坂上はあくまで「僕の知識」と前置きしながら「外資含め、動物を同席できる航空会社は思っているより少ないし、小型犬に限ります」「(同席できる会社でも)ほぼ全部が緊急時は置き去りです」と指摘した。
そうした対応について「ひどい」という批判があることに対して、坂上は「同席できて、物扱いじゃなくて、人間と同等の扱いにしてくれるのに越したことはない。でも、人命第一なわけでしょ。だから、そこを叩くのはちょっとかわいそうなんじゃないのっていうのが僕の意見」と訴えた。
また、坂上は貨物扱いうんぬん以前に「人間がペットを飛行機に乗せるのか、乗せないのか」という問題があると主張。「人間だって(飛行機に乗ったら気圧の関係で)頭痛がしたりする人がいる。そこに人間よりずっと小さいワンコやニャンコを乗せた時、(ペットの健康に問題が生じたら)それってどうするの。動物にも個体差があるので、全部の子に負担がかかるかというと違うと思うんです。でも、飼い主の判断になるんで。『飼い主さんが責任を取るのか』に行きつくと思うんですよね。乗る、乗らないって選択をするのは彼らじゃなくて人間になってくる」と話し、最終的には飼い主の責任であるという持論を展開した。
その上で、坂上は「まず乗せるか乗せないのか論が先にあった上で、航空会社をどうのこうのというのは、僕は思わない」と力説。ちなみに、自身は飛行機が苦手なこともあってペットを機内に乗せたことは過去に1度しかなく、今後もしペットを長距離輸送する必要がある時は「車で連れていく」と断言した。
この坂上の意見に対して、ネット上では「私もワンちゃん大好きだけど、もし緊急時にペット優先する人がいたら大変なことになる」「人命第一の航空会社に理解を示した上で、本当にペットが大事なら飛行機に乗せるべきか飼い主がちゃんと考えろって言えるのは立派」「坂上忍あんまり好きじゃなかったけどこれはド正論」などと賛同の声が続出している。
坂上といえば、一昨年春に終了したワイドショー『バイキングMORE』(フジテレビ系)の司会を担当していた時は毒舌発言がたびたび炎上し、週刊誌の「嫌いな司会者ランキング」でもワースト1の常連となっていた。しかし、今回の騒動ではふだん炎上しそうにない石田や笠井が猛批判に見舞われ、坂上の意見が支持を集めるという逆転現象が起きている。
動物への愛情が深すぎるあまり、ペットの話題になると冷静さを欠いてしまう人は少なくない。坂上の場合は、どうすればペットを大事にできるのかを論理的に考え、的確に意見を述べているため、幅広い層から共感を集めているようだ。