今日は、普段から使えて、しかも災害時の備えとしても抜群のゴミ袋についてのお話。
まずは、地震から二週間たった石川県珠洲市でのお話からお聞きください。
一般のボランティア受け入れ前に、NPOの災害支援として現地で活動を続けている、フリーディレクターの中村健吾さんのお話です。
フリーディレクターの中村健吾さん:「余震が少し減っているということもあって、少しずつですが、自宅に戻って生活を始めている人が増えている段階です。ただ、珠洲市では今も、ほとんどの地域で電気も水も全く使えない状況なんですね。特にトイレが使えないというのは非常に困るんですよ。
私が今、寝泊まりしてる家でもトイレ使えないんですが、ちょっと朝の番組でこんな話恐縮ですが、用を足す場合は、正直な話、外でしています。その場合、大きな方をする場合、これ地元のルールでその後、燃やすゴミとして出すことになっているんですが、ゴミの回収が来るまでは、すごいニオイがやはり気になるので、紙に包んだものを袋に入れて、それを何重にもして、ギュッときつく縛ってずっと置いとくことになるので、実際避難してる人からも、トイレがいやなので、食べる量を減らしてる、という声はちょくちょく聞きます。
でも、それは我慢するということは身体にも良くないので、トイレはどうしてもしなきゃいけないし、トイレというのは当然、出たものを処理するということにも繋がりますので、それをどうするかというのは非常に大事な問題だと思います。」
上下水道がまだ使えないし、中村さんがいる所は、まだ簡易トイレも届いていないし、ペットボトルの水があっても流すと詰まることも多く、燃えるゴミとして出すことに。
避難所では何日かおきに回収車が来て、ゴミを持って行くのを見たそうです。また、市のホームページによれば、4日から街のゴミステーションの回収は始めているとのことですが、週に何回くるのかは、まだ中村さんも分からないと話していました。
通れない道路もある中で、頻繁にゴミを集めに来る、とはなかなかなりませんよね。
今はまだ寒い時期なので、そこまでではないが、これから長期化して暖かくなり、暑くなると、ニオイの問題はもっと大きな問題になると思う、ともおっしゃっていました。
生理現象ですから我慢できませんし、そのために食べないのも身体によくないですから、これは、やはり私たちも備えておくべきことです。
そんな中、注目されている、すごい防臭力の袋を見つけました。どれくらい臭わないのものなのか?開発した、クリロン化成株式会社開発営業部、課長の安原綾乃さんに伺いました。
クリロン化成株式会社・開発営業部課長 安原綾乃さん:「最初の営業活動していた時は、袋に赤ちゃんのうんち入りおむつを入れて、それを商談の場所に置いて、うんちがその場にあっても臭わない、っていうくらい防臭力のある袋になります。
ほんとにびっくりするほどなんですけど、実際に私たちも一か月くらい赤ちゃんのおむつを保管してて、あんまりにも臭わないので開けてみたら、下の事務所からも苦情が来る、みたいな状態になりました。
ニオイって結び目から漏れてるようなイメージあると思うんですけど、腹から漏れてる、網目状になってて、その編み目が大きいからどんどんニオイが漏れてるようなそんなイメージです。なので、袋二重にしてもニオイが漏れるっていうのはそういう理由ですね。特許技術なので詳しいことは言えないんですけど、編み目でイメージしてもらうと、ギュッと詰まってて、なんですけど、全然逃げないわけじゃなくって、すごーくゆっくーり少しずつしか、袋の外に出てこないので、人の鼻では感知できないような、そんな感じですね。」
開発した本人たちが、ほんとに中身入ってるよね?と疑って開けてしまうほどの防臭力。この袋は、BOSという商品です。
見た目は、普通のゴミ袋と変わらない感じ。
スタジオでは、キムチを入れて試してみましたが、本当に全然匂いませんでした!ビックリ!!
東日本大震災の後で、避難所にいた方から、今だから言えるけど、ホントにニオイが問題になって、他に大変なことがたくさんある中で、でもあの時、このBOSを知ってたらもっとよかったのに、という声が届いたのです。
もうその時には、BOSはあったのに!!そこで、それを機に、積極的に災害用の非常用トイレとして、被災地に届けています。再び、安原さんのお話です。
クリロン化成株式会社・開発営業部課長 安原綾乃さん:「実際に熊本の地震のときも、たくさんご利用いただいたんですけども、災害の時ってゴミの回収がやっぱりなかなか長期間されないので、そういったところで、ほんとに多くの方にあってよかったっていう風に、使っていただいてますね。
このBOSがセットになった非常用トイレっていう商品もあるので、それを備蓄していただいている方もいますし、非常用災害用のトイレっていうのは、色んな種類があるんですけれども、ここまでニオイを閉じ込めるっていうのは、なかなか無いので、もう他の買っちゃったよっていう方は、最後にこのBOSに入れるってことで、ほんとに部屋に置いてても気づかないくらいになりますので。
それは自治体の方もそうで、もう備蓄しちゃってるよというところは、BOSを追加で購入いただいてる自治体さんも、だいぶ増えてきましたね。今は在宅避難される方もほんとに多いので、やっぱり備えがいるな、と思います。」
今回の能登地震でも、各地にあるBOSはすでに使ってもらえているし、今後も、動いていく予定と話していました。
すでに用意されている、災害用のトイレがあっても、使用後にこのBOSを用意しておいて、入れてしまえばよい、というのも嬉しいですよね。買い直すのは大変ですから。
被災地での衛生ストレスの中で、ニオイに関する問題は、他にもっと大変なことがあるのだから、と多くの人が我慢をすることが多い、と言われています。しかし、こういった技術で一つでもストレスが緩和されることは大きな違いにつながるのではないかな、と思いますし、普段の生活でも使いつつというのは、ハードルも低いし、取り入れやすい備えです。非常時の対策として、ぜひ参考にしてみてくださいね。