陸上自衛隊唯一の落下傘部隊である第1空挺(くうてい)団は7日、船橋市薬円台の陸自習志野演習場で「降下訓練始め」を行った。冷たい風が吹く中、隊員たちは離島に見立てた演習場へ航空機からパラシュートで次々と降下。戦車や8カ国の部隊から援護を受け、敵を制圧するまでの様子を公開した。日頃の訓練の成果と各国との連携を確認し、災害時でも国土防衛の備えは万全であると強調した。
1974年から一般公開している毎年1月の恒例行事。今年は陸自、空自合わせ約260人、米英など8カ国の部隊60人が参加した。全国から集められた精鋭の自衛隊員約40人が、上空約340メートルを飛行する輸送機から次々と降下。各国の大使や一般来場者の前で、見事に演習場に降り立った。
訓練にはヘリコプターや戦車、装甲車も投入され、大規模に展開。第1空挺団長の若松純也陸将補ら指揮官と、海外部隊による降下は強風のため中止された。
訓練後に能登半島地震の犠牲者に向け黙とうを捧げた。視察した木原稔防衛相は「引き続き被災者のために全力で活動する。災害対応の中でも、国の守りは揺るぎないと内外に示すことは重要」と訓示した。