スーパーの総菜が“大幅値引き”されるタイミング、朝見た「天気予報」にポイントがあって…

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「なんだか今日は何でも選べて、何を夕ご飯にするか迷っちゃうね」
この日は夫婦で車でスーパーに買い物に出かけて、夕食を惣菜で済ませようとしたのです。仕事が押したせいでスーパーに着いたのが19時過ぎ。ちょうどいいタイミングで惣菜に値下げシールが貼られるタイミングになることは認識していたのですが、それにしても今日のスーパーの総菜売り場、値引きシールが貼られている商品がいつもよりもずっと多いのです。
そしてついでに気づいてしまったのですが、専門店としてスーパーに入店しているケーキ屋さんのショーケースにもなぜか「本日、ショーケースのケーキすべて20%引」と急きょ書かれたと思われる貼り紙が。いったい何が起こっているのでしょうか。
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ちなみに私の家の方針としては、その日に食べる食材は値引きシールが貼られていたらそちらを買うことにしています。その日のうちにお腹に入るのでその方が経済合理的だと考えているのです。
普通の日はそうはいっても値引きシールが貼られている惣菜とそうでない惣菜が混在しているものです。たとえばマカロニサラダが食べたいのに、マカロニサラダは定価でお隣のポテトサラダに半額のシールが貼られていたりすることもあります。
そんな時に、「今日はポテトサラダにするか? いやいや大好きなマカロニサラダを定価で買うべきか?」と悩むのです。熟考の末、「そうだ。マカロニサラダを定価で買ったとしても我が家の家計はびくともしまい」と決断し、手に取ろうとしてふと見ると、すでに家内がポテトサラダをカゴに入れていたりします。やはり判断は迅速に行わなければ手遅れになってしまうものです。

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さて、別に狙ってスーパーに来たわけではありませんが、そこは私も経済評論家です。店内の様子を見てすぐにピンと来ました。「アレだ」と。
今日に限っていえば、マカロニサラダにもポテトサラダにもどちらも大幅な値引きシールが燦然と輝いています。それだけではありません。焼鳥、エビの天ぷら、鶏のから揚げ、フランス料理のシェフが開発したかと思える洋風弁当に至るまで、何でもかんでも値引きシールです。それも10%引のレベルではない高額割引のシールばかり。今日、来店した客は皆、幸せそうです。
では、なぜそんなことが起きているのでしょうか。思い起こせばその日、私は結構酷いめにあっていました。外出先でゲリラ豪雨に降られて、事務所に戻る頃には全身びしょびしょに。この日、天気予報によれば首都圏の大気は不安定で、前日の予報と違って気温が急激に下がった上に、地域によっては一日中寒い雨が降り続いていたのです。

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そこで値引きシールの話です。スーパーでは惣菜の仕込みを考える際に天気予報を非常に重視します。
お店が賑わいそうな天気のいい日は多めに、そして雨の日は少なめにという考え方です。ところが問題はその予報が変わってしまった時。それも予想していた天気と、当日の天気が大幅に違っていた時は悲惨です。
普段ならスーパーに立ち寄っていたお客さんの多くが、思わぬ寒気と降り注ぐ冷たい雨のせいで、駅を降りると傘をさしたまま足早に家路についてしまう。その日はそんな天気の日でした。

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そうなるとスーパーでは用意した惣菜が大幅に売れ残ってしまいます。これは同じ場所で営業しているケーキ専門店も同じです。それでなんとかその日のうちに売り切るために、ほぼすべての商品に20%引から半額まで大幅値引きのシールを貼るのです。お客さんから見れば逆に、悪天候の日が“買い物天国”に変わるというわけです。
皆さんが覚えておいたほうがいい経済の知識としては、天気予報が外れて酷い目にあった日は、夕食の時間になったらスーパーに出かけるのが正解だということですね。全身びしょびしょで心が折れていなければの話ではありますが、お試しあれ。

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Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「スーパーでのお得な買い物術」をテーマにお届けしました。

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