29時間以上行方不明だった柏市の70代女性を見つけて救助したとして、柏署は同市の看護師、大西安紀子さん(43)に署長感謝状を贈った。母親らの介護も経験した大西さんは、同市高田の市道を疲れた様子で徘徊(はいかい)していた女性に「お母さん、おうちに帰りましょう」と声をかけて車に乗せ保護した。泉澤一署長は「貴い協力で市民の生命身体の安全を確保できた」と感謝した。
署などによると、11月9日午後1時15分ごろ、大西さんは勤務先の診療所から車で帰宅途中に女性を見つけた。暑い日だったが女性は赤いセーターを着て、顔をしかめ疲れた様子だったという。かねてから「何か地域の役に立てれば」と考えて市の防犯情報メール配信サービスに登録しており、近くの駐車場で確認したところ、直前に見た女性と似通った行方不明者情報があった。
すぐに戻ると女性は近くを歩いており、声をかけて車に乗せた。柏署に数回電話したがつながらず、女性を署まで送り届けた。署によると女性は過去にも何度か徘徊による通報があったという。
大西さんは今夏も、徘徊しているとみられる高齢女性を保護し同署まで送り届けたという。「昨年亡くなった自分の母親も徘徊することがあった。ご家族の心配を思えば、救助できて本当に良かった」と再びの貢献に笑顔を見せた。