駅伝のすべて 第2回 箱根駅伝のドラマを生む、ごまかしのきかない距離と急激な登りと下り

毎年1月2日・3日に開催される『箱根駅伝』。毎年このシーズンを楽しみにしている方も多いでしょう。駅伝は、観戦の知識と競技の魅力を知れば知るほどドラマチックに楽しくなります。

法政大学陸上競技部駅伝監督・坪田智夫氏が監修した『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)より、「PART3 他とはココが違う! 箱根駅伝」の一部を抜粋してご紹介します。

全5回の連載、第2回は「区間の距離とコース」です。
長い距離設定と急な勾配がある
箱根駅伝の特徴として、すべての区間が20km以上という点が挙げられます。距離が短い出雲駅伝では20㎞どころか10㎞を超えるのが1区間だけ(6区10.2km)。ニューイヤー駅伝でも、20㎞を超えるのは1区間(4区22.4km)だけなので、駅伝としてはかなり難しいということがわかります。

23㎞超も3区間あって、特に注目がされる区間になっています。それは「花の2区」と呼ばれる2区とその復路の9区(23.1km)。

99年からは10区も23.0kmに伸びて、往路にはない日本橋を周るルートになっています。

CHECK:10区が伸びて23km超も3区間
1999年の75回大会から10区のコースが変更されました。それまでの21.3kmから23.0kmになり、2区とその復路にあたる8区の23.1kmと合わせて、合計3区間が23㎞超になりました。ハーフマラソンよりも長い距離のため、選手に与える精神的なプレッシャーも増します。
CHECK:箱根駅伝は30km走るつもりで
大学生ランナーなら、10マイル(16km)くらいなら多少ペースをムリしても走り切れます。ところが23㎞になると途端に難しくなります。選手がひとつのポイントとする15km。ここを過ぎてもまだ残りが8km。他の駅伝大会ならおよそ1区分の距離が残っているのです。「箱根は30km走るつもりでトレーニングしなければ走れない」と言わるのはこのためです。

今回一部を抜粋した『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』には、「駅伝」の魅力と競技の特性、箱根駅伝のコースマップや他の駅伝と異なる「箱根駅伝」独自の特徴も紹介されています。読めば駅伝がさらに面白くなる一冊、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』(メイツ出版刊)
★応援・観戦がもっとドラマチックに楽しくなる!
★歴史から名勝負、裏側まで。
監修者からのコメント
陸上競技は、他のスポーツと比べて戦術や戦略が勝敗を左右することが少ない競技です。

たとえばサッカーなら、試合結果やゴールやアシストなどと同じくらいのウェイトで、だれをどのポジションで起用するとか、選手交代はどうするかといった要素でファンは盛り上がります。野球でも、送りバントかエンドランかとか、バッテリーの配球は? といった話題でファン同士が議論になるほどです。

でも陸上は、結局は強い者が勝つ。
身も蓋もないかもしれませんが、やっぱりそれ以外の要素が入り込む余地は他の競技に比べて圧倒的に小さいのです。

では駅伝はというと…。
優勝チーム予想などは10000mのベストタイムなどをベースに行っていますが、私は10000mのベストタイムは参考にしかならないと思っています。

その理由はトラック競技と違って、コースが一般道であること。レースは数時間に及ぶため、気象条件などがスタートとゴールでは変わってくること。この他にも駅伝では様々な要素が絡んでくるのです。

こうした不確定要素も含めて、ファンの方は駅伝に魅力を感じているのではないでしょうか。
本書では、そんな駅伝の裏側や魅力を伝えられたらと思っています。

法政大学陸上競技部駅伝監督
坪田 智夫

『駅伝のすべて 知るほど面白い 観戦知識と競技の魅力』
坪田智夫 監修
定価:1,892円
仕様:A5判128頁
発行年月日:2023年11月30日
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