「あっ、すいませーん」クラブで女装して女子トイレについてきた被害者Aさんとのトラブル「終電ないから」とオンナ言葉で女性の腕を引っ張りホテル街へ…現場ホテルは営業再開「客足は4分の1くらいに減ってしまった」〈札幌すすきの・首切断〉【2023スクープ記事 1位】

2023年度(1月~12月)に反響の大きかったスクープ記事ベスト10をお届けする。第1位は、札幌のホテルでおこった首切断事件の記事だった(初公開日:2023年7月28日)。札幌・すすきののホテルで首なしの惨殺体で見つかった北海道恵庭市の会社員男性Aさん(62)が、女装で飲食店を訪れ、強引に女性をナンパしようとして再三トラブルを起こしていた実態がトラブル被害者の証言で浮き彫りになった。Aさんは、この事件で死体損壊などの疑いで逮捕された田村瑠奈容疑者(29)にも同様の手口で近づき、性的暴行に及んでトラブルになった可能性があると北海道警札幌中央署捜査本部はみており、事件との関連を調べている。また、7月2日の事件発生以降、営業停止を余儀なくされていた現場のホテルが、一部の部屋を除いて営業を再開した。
2023年度(1月~12月)に反響の大きかったスクープ記事ベスト10をお届けする。第1位は、札幌のホテルでおこった首切断事件の記事だった。(初公開日:2023年7月28日。記事は公開日の状況。ご注意ください)
集英社オンラインではAさんが女装愛好家で、混浴温泉で女性の裸を観察したり(#3)、性的興奮を求めて想定外の出来事を期待する人たちが集まる特殊な会員制バーに出入りし、そこでの“行儀の悪さ”ゆえ、たびたび「レッドカード」を突きつけられていた過去について報じてきた(#5)。Aさんは「ともちゃん」という愛称で、その「界隈」の有名人だった。いっぽう瑠奈容疑者は、一部報道で「クラブ」に出入りしていたことが報じられている。また、瑠奈容疑者の祖父は集英社オンラインの取材に対し、「(瑠奈容疑者とAさんが)出会ったのはカラオケなのかディスコなのか、そういうところだと聞いてます」「瑠奈は(Aさんを)女だと思ってたの。それで2人でいいところあるから行こうって言われてラブホテルに入って、入った途端に相手は男になった」と答えている(#4)。
田村瑠奈容疑者(知人提供)
今回は新たにクラブ(ディスコ)でAさんにしつこいナンパを繰り返されたという女性に話を聞くことができた。女性の証言とともに瑠奈容疑者の祖父の発言を検証する。「私が『ともちゃん』を見たのは3~4年ほど前のことです。当時私が通っていた20代のお客をメインにしたクラブに、いつも1人で来ていました。事件後に報道されている最近の写真よりも痩せていてスレンダーでしたが、骨格から一目で男性だとはわかりました。最近出回っている写真は、だいぶ『盛れている』ように思えます」この女性はニューハーフやドラァグクイーンなどの「性的少数者」とも接点があり、多少なりともその“振る舞い”に通じていた。しかし「ともちゃん」にはそれに当てはまらない違和感のようなものがあったという。「クラブに来て、お酒を飲みながら、体を左右に揺らし音楽を楽しんでいるときは、ただ『楽しんでる』って感じで周囲にも溶け込んでいました。ですが、お酒のグラスを片手に女性をジッと見ているときには違和感が漂っていて、『物色している』という表現がピッタリな目つきでした。私自身もそうした視線を感じたことがあり、近寄ってくる瞬間に『来た!』って、まるで男性からナンパされる感覚になっていました」
「ともちゃん」こと、Aさん(右)
「ともちゃん」はしかし、ナンパする際も女性言葉を駆使してきたという。「性的な興味はない」と装って、相手女性の警戒心を解こうとしたのだろうか。「視線は露骨なくせに、『お姉さんのリップとてもキレイ』とか女性っぽい感じで話しかけてくるんです。私が『お姉さんの方が綺麗ですよ』とお世辞で返すと、『私のなんて全部100均なの』とちょっと微笑んだり。そんな会話をして、時には腕を組んできたりもしました。女を装っているものの、嫌な感じがしたので私はトイレに逃げ込んだのですが、『ともちゃん』はトイレの中までついてきたんですよ。声をかけながらというより、男の人がナンパするときって目当ての女性を足早に追っかけるじゃないですか。あんな感じでした」
異変を察したクラブの従業員にトイレから出るよう促された「ともちゃん」は、「あっ、すいませーん」とおとなしく従ったという。「その際も『女なのになんで?』とゴネたりはしないで、しおらしく引く感じでした。あとは酔っ払って床に座り込んでる女性に『大丈夫?』と声をかけたりするのですが、やはり何か危ないものを感じたので、私は友達じゃない子にも声をかけに行っていました。クラブだと薄暗いし、お酒が入ってると女性と見間違えてしまうんです。冷静な状態で見ればおじさんとわかるんですけど、相手が女性だと思うと、冷たくするわけにもいかず、つい話を聞いてしまうんです。
「ともちゃん」と名乗っていたAさん(知人提供)
そうしてクラブを出るタイミングで『どこか行こうよ』『終電がないから朝までいないといけないの』と力強く腕を引っ張って、ラブホテル街の方に行こうとするのが『ともちゃん』の手口だったんです」この女性の友人も、過去に「ともちゃん」にこうして腕を引っぱられてホテルに連れ込まれそうになった経験があったという。「あくまで女性同士という感じで声をかけながら腕を引っぱるので、あまり世間慣れしてない子だと騙されてホテルまで行ってしまうこともあるかもしれません。実際は分かりませんが、今回の事件で逮捕された子もそうだったのかな、とも思ってしまいました。クラブでイベントを開く人たちも、女性料金で堂々と入場しようとする『ともちゃん』の扱いに頭を悩ませていました。ウィッグがズレてたり、つけまつげのつけ方がおかしかったり、やっぱり私が接してきたニューハーフの方とはどこか違うんですよね。亡くなった方の悪口を言うつもりはないんですけど、事件のことを知って、『ともちゃん』を女性と勘違いして被害に遭う人がいなくなることに対して、どこかホッとしている自分がいました」
田村一家が暮らしていた自宅(撮影/集英社オンライン)
一方、悲惨な殺害事件の現場となり、その影響をもろに受けていたホテルもひっそりと営業再開にこぎつけていた。関係者が語る。「7月24日からようやく営業を再開できました。とはいえ、事件のあった部屋と2階のもう一部屋についてはあと数日、警察の方から捜査させてほしいとのことで、まだ私どもも部屋に入れていません。他の部屋については先々週の月曜日に捜査が終わりましたので、1週間かけて清掃を行って準備しました。全室が事件からほぼ2週間、使ったままの状態で手付かずで放置せざるを得なかったので、匂いなどもひどいし、念入りに清掃や消臭に努め、営業再開となりました」
営業再開となった現場のホテル(撮影/集英社オンライン)
2階の2部屋については数日中に道警からの引き渡しを受け、特殊清掃をした後に壁紙も貼り替え、家具や備品類も総入れ替えするため、使用できるまではあと数カ月はかかる見込みだという。「正直、全国的に知れ渡る事件でしたから、営業を再開してもお客さまはゼロなんじゃないかと懸念していましたが、1日5~10組くらいのお客様には来ていただけてます。事件を知らないのか、怖いもの見たさのお客さまなのかは私たちにはわかりません。もちろん客足は普段の4分の1くらいには減ってしまっていますが、ゼロではなかったことにホッとはしております」同ホテルの防犯カメラ映像は、瑠奈容疑者が逮捕された24日に道警の要請で任意提出したという。
壁紙も全て貼り替えるという現場の部屋(ホテルHPより)
「まだ『容疑者逮捕』の報道が流れる前に刑事さんが来られました。データをサーバーから抜いていった形なので、こちらからももう見ることができない状態になっています。今思えば、マスコミの方に流れないように警察が先手を打ったのかもしれませんね。私たちとしては、静かに粛々と営業をしていきたいと思っております」関係者が願うように、二度と同様の悲惨な事件が起きないことを祈るばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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