住宅の瓦の修理で手抜き工事をしたとして、愛知県にあった業者の男らが逮捕されました。男らは、高齢者に“押し売り”とも言える強引な手法で、工事の契約を結ばせていました。
14日に逮捕された、リフォーム業者「信誠ハウジング」社長の平林凌容疑者(22)ら男4人。
警察によりますと、2020年9月、平林容疑者ら4人は安城市内に住む82歳の女性の住宅で瓦の補修工事を実施。その際、ほとんど工事を行わなかったにもかかわらず、工事費用140万円をだまし取った疑いが持たれています。
いわゆる“手抜き工事”で多額の費用をだまし取ったその手口とは…。
<容疑者>
「こんなやり方じゃダメ。瓦を全部めくってやり直さないといけない」
被害者の住宅を突然訪れ、屋根の補修をしたほうが良いと煽って、強引に契約を迫ったとみられています。
実はこうしたトラブルは毎年多発していて、愛知県消費生活総合センターによると、今年度は屋根の工事に関する相談がこれまでに171件寄せられています。
詐欺に遭いそうになった男性:
「『ちょっと瓦がズレとるよ』って。『このままほかっておくと瓦を全部かけなかんで、金がかかるから早いとこ直したらいいよ』って」
こう話すのは、築30年ほどの住宅で暮らす愛知県の83歳の男性。去年10月、平林容疑者とは別のリフォーム業者が、自宅の庭先にいた男性に突然声をかけてきました。
「無料点検」と言われ、屋根を点検させた男性。すると業者はわずか数日後には、「翌日から工事する」として補修費用およそ130万円の見積書を持って来ました。
詐欺に遭いそうになった男性:
「写真を見せて『ここがズレとりますわ』って。『とにかく契約書に判子押してくれ』って。工事はいつやるって言ったら『あしたやります』と言うもんで」
強引に進められ、男性は一旦契約書にサインしたものの、その夜不審に思った男性の息子がクーリングオフしました。
男性が補修を迫られた「瓦のズレ」について、専門の業者に見てもらうと…。
愛知県屋根工事業組合の組合長:
「(男性の住宅の瓦は)ズレていないですよね。瓦がズレているというのは、鬼瓦が外れかけているとか、葺いてある瓦が持ち上がってズレている、そういう状態のこと」