南房総市立中学校の1、2年生を対象にした「生涯学習芸術鑑賞会」が、同市の白浜フローラルホールで開かれた。和泉流二十世宗家の和泉元彌さん(49)ら和泉流の狂言師5人が代表的な演目を披露し、600年以上続く伝統芸能の面白さや奥深さを伝えた。
市によると、和泉流宗家と、道の駅ローズマリー公園での狂言公演など旧丸山町時代から続く縁があり、合併以降、授業の一環で中学生対象の同鑑賞会を実施している。今回は元彌さんをはじめ、姉の淳子さんと三宅藤九郎さん、淳子さんの長男・和秀さんと長女・慶子さんが出演した。
元彌さんらは、盆山(ぼんさん)を盗もうと知り合いの家に忍び込んだ盗っ人が家の主人にからかわれる「盆山」や、かつて国語の教科書にも採用された定番の「附子(ぶす)」を熱演。元彌さんの手本に合わせ、生徒たちが狂言特有の発声方法を学ぶワークショップも開かれた。
鑑賞した白浜中2年の里見丞助さんは「現代とは違う話し方だったが、表情を通じて話の内容を理解できた。日本には素晴らしい伝統芸能があることが分かった」と受け止めた。