1年間の汚れを落とすため、多くの会社や家庭が年末に大掃除をしています。
油や水垢など、さまざまな汚れに適した洗剤を用意して、使い分けていることでしょう。
人によっては、実家や職場の掃除をするため、必要な洗剤を小分けにして、持ち運ぼうと思っているかもしれません。
しかし、洗剤の移し替えには危険があるとして、東京消防庁が注意を呼び掛けています。
2023年5月、東京都足立区の東武鉄道西新井駅で、切符売り場付近に置かれたコーヒー缶が破裂して液体が飛び散り、女性2人が負傷する事故が起こりました。
原因は、職場で使っている洗剤を自宅に持ち帰ろうと、アルミニウム製の缶にアルカリ性の洗剤を入れたこと。
洗剤の成分とアルミニウムが化学反応を起こし、発生した水素ガスが密封された缶の中に溜まって破裂したと考えられています。
東京消防庁は再現実験を行い、専用容器以外に移し替えないよう注意を呼び掛けました。
時間経過とともに、缶が変化する様子をご覧ください。
缶が腐食したり、破裂したりすると、付近にいた人が被害を受けてしまいます。
同庁は、アルミ缶やスチール缶に酸性洗剤を入れた場合も同様の状態となり危険として、次のように危険性をまとめました。
洗剤の成分とアルミニウムやスチールとの化学反応により、水素が発生する。
1 蓋などで密封された容器は、破裂する危険がある。2 密封されていない容器は、容器が溶解し洗剤が漏れ出ることがある。3 飛び散った、または、漏れ出た洗剤によるやけどの危険がある。
東京消防庁 ーより引用
また、ペットボトルに移し替えた場合も、誤飲の可能性が高まるため危険といえるでしょう。
ネット上では、洗剤を移し替える危険について、このような声が上がっています。
・ビビった。やらかす前に知れてよかった。
・昔、アルミ缶に洗剤を入れてしまったことがあるのですが、めっちゃ大きい爆発音がして怖かった…。
・「そりゃダメでしょ。理科で習ったよ」って思ったけど、日常生活で忘れてやってしまうことは多いよね。
何気ない行動からケガを負うことのないよう、覚えておきたい知識の1つ。
笑顔で新年を迎えるために、危険は避けたいですね。
[文・構成/grape編集部]