【鈴木貴博連載】大手ではない「地元レンタカー会社」はなぜ安い? その背景に面白いビジネスモデルが…

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「ここのレンタカー屋さん、選んで正解だったね」
とわたしのすぐ後ろで喜んでいるのは見知らぬ4人組です。沖縄でレンタカーを借りた最終日、無事返却して空港への送迎バスでちょうど乗り合わせた別の一団でした。
見たところ仲良し女性の4人旅の様子で、レンタカー代金をスマホで割り勘にして4人で送金し合っていました。それが驚くほど安かったので喜んでいたのです。
実は私もまったく同じ感想です。大手のレンタカー会社だったらたぶん倍近い料金になっていたのではないかと思うのです。今回の記事ではその顛末をお話ししたいと思います。
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私は旅行先でレンタカーを使う場合、基本的に大手のレンタカー会社を利用します。整備もしっかりしているだろうし、新車まではいかなくともそこそこ新しくて清潔な車になっている場合が多いからです。
ただ今回、沖縄で借りたレンタカーはちょっと事情が違いました。前回のコラムで紹介したように家族旅行を兼ねた旅行ですが、途中で私だけ別行動で仕事が入っていたのです。その際のスケジュールの関係で、道中で最大7人で移動しなければいけないところが車を借りる際のボトルネックでした。

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私は以前、7人乗りでコンパクトサイズのワゴンに乗っていました。ホンダのストリームがこの分野のさきがけで、トヨタのウィッシュやアイシスがそれに続く形で2000年代にブームになったのですが、その後SUVの大型化が進んで廃れてきました。
今はトヨタのシエンタやプリウスαがこのカテゴリーの車なのですが、あいにく私が使いたい日程で予約ができる7人乗りに空きがありません。若干脱線しますがこの「空きがない」という事情にも経済が関係しています。
コロナ禍のときに沖縄のレンタカー経営者に直接伺った話ですが、コロナの観光苦境の際に銀行の強い指導でレンタカーの台数を大幅に減らさざるをえなかったそうです。つまり、そもそも沖縄のレンタカー台数自体が減ってしまっているので、沖縄旅行を計画している方は早めに予約をしておくことをお勧めします。

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さて、それで大手ではないレンタカー会社を探すことにしました。大手旅行サイトで7人乗りの車が借りられるところがいくつか見つかり、口コミを参考にしながら空港への送迎をしてくれるこの会社を選んだというわけです。
さて、冒頭の話です。この会社、なぜレンタカーが安いのでしょうか。経済評論家なので送迎の際、ドライバーさんや受付の際のスタッフにそれとなく質問をしながらビジネスモデルを探ってみました。どうやらこういうことのようです。
この会社のオーナーさんは沖縄では中古車販売もしていて、中古の高年式だけれども状態のいい車を整備してレンタカーに登録しているようです。レンタカー上がりの中古車があるのは知っていますが、中古を整備して再びレンタカーにというアイデアはビジネスモデルとして面白いですね。

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今回借りたトヨタのアイシスは2017年に販売が終了したミニバンで、走行距離は6万5,000キロとかなり走り込んでいる車でした。
とはいえ整備がきちんとしているせいでしょうか、走りについては基本的に満足です。安くてお得な商品にはこういったビジネスモデル上の工夫があるものだなと改めて感心しました。
最後にひとつだけ注意点を挙げると、普段、自分の車で乗りなれている自動ブレーキなどの安全装備は、年式が古いせいで装備されていません。当然ではありますがいつも以上に安全運転を心がけるようにしました。

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Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「大手ではないレンタカー店の特徴」をテーマにお届けしました。

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