春から夏にかけては、鳥の繁殖期になります。
3~4月にヒナのふ化が増えて、5月頃には巣立ちの練習が始まるでしょう。
何事も最初からうまくできるわけではありません。
まだ飛べないヒナもいるはず。中には、うまく飛べずに巣から落下してしまうことも…。
そんな場面に出会ったら「かわいそうに…」「助けてあげなきゃ」と、よかれと思って手を差し伸べてしまう人もいるかもしれません。
しかし、その優しさは、鳥たちにとっては命を危険にさらす行為にもなるのです。
野生生物の保護の普及、生物多様性の保全に貢献している公益財団法人『日本鳥類保護連盟』は、2025年4月からヒナを守るキャンペーンを始めました。
『ヒナを拾わないで!!キャンペーン』と題した企画は、地面に落ちた野鳥のヒナに出会った場合の対応を、周知してもらうためのもの。
制作されたポスターでは、『近くには親鳥がいるから大丈夫』と、見つけてもそのままにしてほしいことをアピールしています。
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もし、落ちているヒナを見つけた時は、どのようにしたらいいのでしょうか。
巣立ち前のヒナは、まだ目が開いていなかったり、羽毛が生えそろっていなかったりします。
近くに巣がないかを探し、見つけたら手袋やタオルなどを使って直接手で触れないようにして巣に戻してあげてください。
もし見つからない時は、都道府県の窓口や動物病院に相談してみましょう。
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人がヒナの近くにいると、親鳥は警戒して近付けません。親鳥を待つ場合は、ヒナから離れてくださいね。
「人のにおいが付いたら、親鳥が近付かない」という声もありますが、そのようなことはないといいます。
もし、しっかりと立って歩くことができ、羽毛がひと通り生えそろっている巣立ち直後のヒナだった場合は、そのままそっとしておいてあげるのがベスト。
なお、車の通りが激しかったり、猫に襲われたりしている時は、直接手で触れないようにして、近く茂みや木の上などに移動させてあげるといいそうです。
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善意でヒナを持ち帰るのはNG。人間が親鳥の子育てを邪魔しないようにしたいですね。
また、野鳥は法律で保護されているので、むやみやたらに捕まえて飼うことはしないようにしましょう。
野鳥がケガをしていた場合は、そのままにしていると弱ってしまうので、野生動物のことを担当している窓口などに連絡を入れて、指示を受けるのがいいそうです。
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『日本鳥類保護連盟』のウェブサイトでは、落ちているヒナを見つけた時の対処法が書かれています。
まだ飛べないヒナを見つけた際、「外敵に襲われてしまうのでは」と心配になりますよね。
しかし、どこかで見ている親鳥が守ってくれるため、そのままにしてあげるのがいいのだとか。
Q 外敵に襲われないか心配ですA 親鳥が守ってくれるのでそのままにするのが一番です。どうしても心配であれば、近くの茂みの中など外敵から見つかりずらい場所に移動させましょう。
ヒナを拾わないで!!キャンペーン | 公益財団法人 日本鳥類保護連盟 ーより引用
また、「一時的ならいいでしょう」と、保護を考える人もいるかもしれません。
しかし、野鳥は一時的でも捕獲することはできず、生存率が高い親鳥に任せる選択をしたほうがいいそうです。
Q 一時的な保護はできますか?A 一時的であっても野鳥は捕獲することはできません。見つけた場所からあまり動かさず、親が来るのを望みましょう。人の手で育てるよりも、親鳥に任せるのが一番生存率が高くなります。親鳥からヒナを引き離してしまうことになるので、ご理解よろしくお願いいたします。
ヒナを拾わないで!!キャンペーン | 公益財団法人 日本鳥類保護連盟 ーより引用
ネット上では、過去に拾ってしまった人からの反省の声や、「知ってほしい」という願いが寄せられていました。
・かわいいし、かわいそうだから拾いたいけど、ぐっと堪えるようにします。
・本当に知ってほしい。そういう愛もあるんです。
・何が最善なのかを知ることは大事。誘拐になっちゃう。
・拾ってしまったことがあるので、本当に反省しています。
・初めてのおつかいを見守るような親の気分でいたい。
事前に知っておくことで救える命があります。
巣立ちのシーズンが本格化する前に、正しい対処法を知っておきたいですね。
[文・構成/grape編集部]