サツマイモに特化した国内最大規模のイベント「夏のさつまいも博」が、8月7~10日に千葉市美浜区の幕張メッセで開かれることが決まった。県内では初開催となり、県は全国有数の生産量を誇る千葉産サツマイモの認知度向上に期待している。
県内では江戸時代、享保の大飢饉(ききん)を受け、青木昆陽が千葉市・幕張などでサツマイモを試験的に栽培。栽培は成功し、全国に広がり飢饉に苦しむ人を救ったとされる。
現在でもサツマイモ生産は盛んで、成田市や香取市などの県北東部が主要産地になっている。2023年の産出額は185億円、作付面積は3540ヘクタール、収穫量は9万1300トンで、いずれも全国3位だった。
県内でのサツマイモ栽培の歴史的背景などがら、県は千葉を代表する農産物としてサツマイモを売り出すプロモーション活動を23年度から集中的に展開している。昨年には県産サツマイモの魅力をPRするアンバサダーに俳優の松本まりかさんを起用した。
プロモーション活動を推進するため、県はさつまいも博の誘致を目指して実行委員会と協議し、3月に覚書を締結して県内での初開催が決定した。さつまいも博は20年冬に始まり、これまでにさいたま市や川崎市などで9回開催されてきた。夏のイベントには例年、2~3万人が来場するという。
さつまいも博では日本全国のサツマイモスイーツ専門店が出店し、県産品のPRコーナーも設置される予定。詳細は今後決定する。熊谷俊人知事は3月25日の記者会見で「イベントには普段からサツマイモを愛するファンのみならず、多くの人に来場してもらい、千葉県のサツマイモの魅力を存分に堪能してもらいたい」と話した。