仕事や休暇で海外に頻繁に出かける人にとって、世界各地の空港ラウンジが使える「プライオリティ・パス」は、必携の1枚とも言える存在です。ただ、このサービス利用者にとって“天国”といえる空港で、とある “変化”が訪れています。
仕事や休暇で海外に頻繁に出かける人にとって、世界各地の空港ラウンジが使える「プライオリティ・パス」は、必携の1枚とも言える存在です。ただ、このサービス利用者にとって“天国”といえる空港で、2025年2月より“変化”が訪れています。
「神コスパカード1枚で空港ラウンジハシゴする人」の“天国”に…の画像はこちら >>プライオリティ・パスが利用可能なラウンジは、カウンターにロゴマークの掲示がある。ただし最長利用時間などはラウンジにより異なる(植村祐介撮影)
海外の空港を利用する場合、出国審査や保安検査に時間がかかることを見込み、「定刻の3時間前」が空港到着の目安となります。しかしこの一連の流れがスムーズに進むと、2時間を超える待ち時間が発生します。また海外の空港での乗り継ぎでは、3時間以上の待ち時間となることも珍しくありません。
そんなとき、空港のエアサイド(保安検査場よりも搭乗口側)にある空港ラウンジが利用できれば、搭乗時刻ギリギリまでアルコールを含む飲食を楽しみつつ、安心してくつろぐことができます。そうした“優雅で安全な旅”を、プライオリティ・パスは提供してくれるのです。
このプライオリティ・パスには、利用のたびにラウンジ使用料を払う「スタンダード」、年間10回まで無料で利用できる「スタンダード・プラス」、回数無制限で無料となる「プレステージ」の3つのプランが用意されています。ただ使い勝手のいいプレステージは、年会費469ドルと、決して安くはありません。
しかし日本では、クレジットカード会社が自社のプラチナカード会員、ゴールドカード会員に向け、無料もしくは年間1万円程度のオプションとして、プレステージ相当の会員資格を付与することがあり、入会のハードルがきわめて低くなっています。
こうしてプライオリティ・パスに入会した会員のうち一部は、複数のラウンジが利用できる空港で、出発までの時間、複数のラウンジを渡り歩き、飲食などを楽しむ“ラウンジホッパー”となっています。なお余談ですが、プライオリティ・パスがラウンジと同様に無償で提供していた「レストランでの無料飲食」「リラクゼーションサービス」などは、ラウンジホッパーの格好のターゲットとなったため、利用対象から外すクレジットカード会社が多数となっています。
そうしたラウンジホッピングの名所のひとつに数えられるのが、タイ王国の首都、バンコクの玄関口「スワンナプーム国際空港」です。その理由は、同空港の構造、そして使えるラウンジの多さにあります。
同空港の国際線エリアは、2024年にサテライトが運用をはじめるまで、すべてのラウンジがメインターミナルエアサイドの3Fに集まり、近いところは徒歩数十秒、端から端でも10分は歩かない程度でラウンジホッピングできる構造となっています。
加えて同空港では、ラウンジ運営会社が提供するラウンジのほか、通常であればその航空会社やアライアンス(航空連合)の上級会員、もしくはビジネスクラス以上の利用者でなければ入場できない航空会社ラウンジの一部も利用できることも、ラウンジホッパーの人気を集める理由のひとつとなっていました(バンコク・エアウェイズ「ブルーリボンクラブラウンジ」のプライオリティ・パスでの利用は、同社便搭乗者のみ対象)。
ところが今年2月、プライオリティ・パスからのある発表で、こうした状況が変化することが明らかになります。
それは3月末での「オマーン航空ファースト&ビジネスクラスラウンジ」「エールフランス/KLMスカイラウンジ」の利用対象からの除外です。
この両航空会社のラウンジは、ともにシャワールームを備え、また上質なアルコールを提供していたことから、“スワンナプーム国際空港を利用する際は必ず立ち寄る”とするラウンジホッパーもいるほどの人気でした。
またブルーリボンクラブラウンジも、同日でプライオリティ・パスでの利用対象外となります(日本語サイトには注記はないが、英語サイトでは「利用終了」の告知あり)。
さて、今回のこの“改悪”とも言える変更が、どうして行われることになったのか、その理由ははっきりとしていません。
航空会社ラウンジはプライオリティ・パス会員の受け入れにあたり、「1名あたりいくら」という利用料をプライオリティ・パスの運営会社(コリンソングループ)から受け取り、ラウンジ維持の貴重な収入源としています。またプライオリティ・パスも「航空会社ラウンジが使えること」を魅力のひとつとしていたはずで、両者は“WIN-WIN”の関係にあったと思われます。
今回の変更は、この関係に何らかの変化があった、もしくは何らかの理由で契約を終了せざるを得なかったと考えざるを得ません。
ただそれでも、スワンナプーム国際空港には、まだプライオリティ・パスで利用可能なラウンジが数多く残っています。
Large figure2 gallery7
ターミナル中央にある「出国審査場2」を出て正面にある「乳海撹拌」の巨大な像の裏側に、ラウンジのある3Fへのエスカレーターがある(植村祐介撮影)
国際線の航空会社ラウンジでは、「ターキッシュ・エアラインズ ラウンジ」が引き続き利用可能です。また「ミラクル ファーストクラスラウンジ/ビジネスクラスラウンジ」「ザ コーラル ファイネストビジネスクラスラウンジ」については、これまでどおり変化はありません。
そのため、バリエーションはやや寂しくなってしまったものの、ラウンジホッピングそのものは、十分楽しめると考えていいのではないでしょうか。
なおミラクル ファーストクラスラウンジ/ビジネスクラスラウンジは、エアサイドに複数あり、シャワーの有無など設備がラウンジによって異なります。
またこれらのラウンジでは、個別の便について搭乗時刻や搭乗口の変更の音声でのアナウンスは行われません。
ラウンジホッピングを楽しむ際は、必要なサービス、搭乗ゲートまでの距離、搭乗時刻に十分気をつけて、乗り遅れることのないよう、お過ごしください。