陸上選手と研修医の二刀流を続けてきた新潟アルビレックスランニングクラブの広田有紀選手が引退を発表し、3月19日の会見で涙ながらに胸中を語りました。
【広田有紀 選手】「やはり自分は、トップレベルで戦えてこそ陸上競技選手だと思っているので、そこを達成する現状ではないと判断した上で、この決断は自分としてはよかったかなと思っている」19日、引退会見を開いたのは、新潟アルビレックスランニングクラブの広田有紀選手です。新潟高校3年時に陸上女子800mでインターハイと国体で優勝した広田選手は文武両道を掲げ、大学は医学部に進学。大学卒業後は一時陸上に専念し、2021年の日本選手権では県記録を更新する走りで準優勝を果たしました。東京オリンピック出場の夢は叶わなかったものの、もう一つの夢である医師を目指しておととしからは研修医との二刀流を続けてきた広田選手。【広田有紀 選手】「(両立は)大変じゃなかったと言ったら嘘になるので…ただ、とても充実していた。地元愛を身近に感じながら競技を行えたのは、やはり両立あってのことだったなと思う」練習場所だけでなく、研修先の病院で応援の手紙をもらうなど様々な場所で周囲に支えられてきたと言います。
そんな中、引退を決意した理由を問われると…【広田有紀 選手】「やりたくて、やりたくてしょうがないし、体がついてくるなら、状況が許すなら、日本選手権という舞台も、世界に出るという目標も…」度重なるケガで思うように走れない状況が続いたことが引退の決め手になったと言います。【広田有紀 選手】「その目標を諦めるということを認めることになるので、それが悔しくて涙が出てくる」それでも…【広田有紀 選手】「(Q.どんな陸上競技生活だった?)難しい…でも、終始楽しかった。陸上競技、800mがまさかこんなに続けられるものだとは思っていなかったので」
涙ながらに陸上人生を振り返ると、会見には高校時代の恩師がサプライズで登場!【広田選手の高校時代の恩師 和田紀明さん】「体と心に寄り添えるような素晴らしい医師になってください」広田選手は今後、東京の病院で整形外科医を目指すほか、アルビランニングクラブのアンバサダーとして地域貢献活動などにも取り組んでいきたい考えです。【広田有紀 選手】「時間がどこまで許すか分からないところではあるが、願望としては、やっぱり新潟が大好きで、まだまだ関わり続けたいなとは思っている」次の目標に向かって新たなスタートを切る広田選手の今後に期待です!