佐倉市の城下町地区の中心街「新町通り」周辺で15日、風物詩の佐倉・時代まつりの後継イベント「シン・マチマーケット」(同市主催)が初めて開かれた。会場はそのままに佐倉音頭の練り歩きなどおなじみの催しに加え、新たに古本市やクラフトフェアを実施。江戸の風情を残すメインストリートに市内外の家族連れや外国人観光客が詰めかけ、往事の活気を見せた。
イベントの目玉は本好きや出版社のブースが軒を連ねた「シン・本気(マジ)BOOKストリート」で、愛読書を紹介し合う「ビブリオバトル」や絵本の読み聞かせなど趣向を凝らして本の魅力をアピール。
新町通りに面した複合施設で図書館を核とした「夢咲くら館」では、引きこもり生活中に習得したルーマニア語で小説を執筆して話題となった作家、済東鉄腸さん=市川市=のトークショーもあり、来場者は図書館内外でこの日限りの“読書体験”を満喫した。
夢咲くら館駐車場は時代まつりを継いだお祭りエリアとなり、佐倉囃子(ばやし)保存会の演奏や旧佐倉藩の藩外不出の武術「立身流」の演武が次々繰り広げられ、古参ファンらを沸かせた。鍛冶体験などワークショップも人気を集めた。
酒々井町の小学1年、木村凪沙さん(7)は「甲冑(かっちゅう)を着るのが楽しかった」とお祭りエリアに引かれた様子。母親の有美さん(36)は、凪沙さんが出張図書館に熱中し「多くの本を読んでくれて良かった」と振り返るなど、家族でイベントを余すところなく堪能した。