3月も中旬となり、いよいよサクラが咲く季節が近づいてきました。春にいち早く咲く「ウメ」の花やサクラの中でも早咲きの「カワヅザクラ」は、各地で例年より遅れているようです。
桜はいつ開花?各気象会社の開花予想と600℃の法則 4月上…の画像はこちら >>
愛知県田原市の免々田川沿いのカワズザクラは、例年2月末には見ごろとなりますがことしは3月に入っても咲いている花は数えるほど。ようやく3月中旬に見ごろとなりました。これは、冬(12月~2月)の気温が低かったことや降水量が少なかったことなどが影響しているとみられます。
CBC
2024年12月~2025年2月にかけて3か月間の降水量が、東日本、東日本太平洋側、西日本、西日本太平洋側、東北太平洋側、関東甲信地方、東海地方、近畿地方、近畿太平洋側、中国地方、山陽、四国地方、奄美地方で過去最も少なく、西日本日本海側と九州北部地方で最少タイとなりました。
冬の平均気温も、特に2月に2度も襲来した強い寒波の影響で、平年に比べ低くなりました。
では、早咲きのサクラやウメは開花が遅れましたが、一般的なサクラ、いわゆる「ソメイヨシノ」はどうなのか?
気象会社のウェザーマップによると、関東から西では概ね平年並み。北日本では平年より早い所が多くなる見込みです。
3月4日には東京で雪が積もったり、名古屋の最高気温も6.7℃までしか上がらなかったりと、真冬並みの厳しい寒さだったのに、もうサクラが咲くのか?
その他の予想を見てみます。まずは、簡易的に計算できる「600℃の法則」です。「600℃の法則」は2月1日からの最高気温の積算で600℃に達した日に開花するというものです。
東京は、2月1日~3月13日までの最高気温を合計すると「513.2℃」でした。これに予想されている最高気温を足してみると東京の開花は「3月19日」で、ウェザーマップの予想よりやや早い計算です。
600℃の法則の精度は良いのか?過去10年の開花日と、実際に開花した日までの積算温度を計算します。
<開花日> <積算温度>2024年3月29日 769℃ (11日遅い)2023年3月14日 593.2℃(1日早い)2022年3月20日 626.6℃(1日遅い)2021年3月14日 611.5℃(±0日)2020年3月14日 598.6日(1日早い)2019年3月21日 650.8℃(2日遅い)2018年3月17日 558℃(3日早い)2017年3月21日 619.5℃(1日遅い)2016年3月21日 652.5℃(3日遅い)2015年3月23日 617.9℃(1日遅い)
去年は極端に遅れて開花しましたが、その他の年は2日前後するのみで、まずまずの精度ともいえそうです。「600℃の法則」は、関東以西で開花の大まかな目安といわれていますので、東京、名古屋、大阪で各気象会社が報道発表資料として出している情報をまとめます。
<サクラ開花予想>(①ウェザーマップ ②ウェザーニュース ③日本気象協会 ④600℃の法則)東京 ①3月22日 ②3月24日 ③3月22日 ④3月19日 名古屋 ①3月24日 ②3月25日 ③3月25日 ④3月23日大阪 ①3月27日 ②3月26日 ③3月27日 ④3月25日福岡 ①3月27日 ②3月24日 ③3月24日 ④3月23日
概ね、ウメやカワズザクラのように極端に遅れるような予想は出ていません。
この予想は、気象台で観測しているサクラ標本木の開花ですが、ソメイヨシノは同じような地域・環境であればほぼ同じ時期に開花するため、名古屋のCBCテレビ付近にあるソメイヨシノのツボミを参考程度に見てみると、あと2週間以内に開花するとは思えない固いツボミに見えます。
この理由の一つは、今後の気温傾向にあるとみられます。
13日に出された情報では、九州北部(山口県を含む)九州南部、奄美、沖縄以外広い範囲で、5日間平均で2平年より2.3℃~2.9℃も高くなり、この時期としては10年に一度程度しか起きないような著しい「高温」になる見込みです。
サクラのツボミが一気に膨らむような暖かさになる見込みです。そのため、急速につぼみが膨らむと予想しているものとみられます。
来週中ごろは、一時的に寒気が入るため、若干ツボミの生長は遅れる可能性がありますが、その後は春本番の暖かさが予想されています。
サクラの満開は開花から1週間から10日ほどといわれますので、4月上旬には、西日本・東日本では広く花見が楽しめる見込みです。春の景色もすぐそこまで来ています。