24時間365日監視する防犯カメラ。防犯に役立つ一方でプライバシー侵害の不安があります。その最前線を取材しました。今話題のカスハラ対策でも注目を集めています。
餃子の無人販売店で木製の料金箱を破壊し、売上金を盗む人物。
ほぼ100%の確率で“カスハラ客”瞬時に特定 マスクをしてい…の画像はこちら >>
系列の店舗でも犯行を繰り返した犯人はカメラで撮られていることが前提だったのか、常に顔を隠していました。
そしてこちらは手にバールのようなものを持ち、住宅に押し入ろうとする不審者。
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防犯カメラがあることを知った上で顔を隠し、カメラを動かしました。
今やあらゆる場所に設置され、24時間365日映像を記録し続ける防犯カメラ。
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先日長野で起きた通り魔殺人事件でも、街にあるいくつもの防犯カメラ映像をつなぎ合わせる「リレー捜査」で、犯人逮捕につながりました。
そしてこんな映像も。去年6月ラーメン店での出来事。
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男性客が急に怒り出し調理場や店内にどんぶりの中身をぶちまけ、店から出て行きました。いわゆる「カスハラ」の一部始終も記録していた防犯カメラ。
(笠置達哉ディレクター)「こうした中、カスハラ対策用の防犯カメラを開発したのが、こちらの会社です」名古屋市中区のセキュリティ関連会社。
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カスハラへの関心が高まり全国で防止条例もできる中、AIを導入したカスハラ対策用の防犯カメラを開発しました。
取材のため、AIにカスハラ常習者と認識させた男性がカメラに近づくと・・・(パソコンの音声)「カスハラ対象者が来場した可能性があります。管理者は速やかに対応してください」と、まずは音声と画像、そしてメールで注意を促します。
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(トリニティー 兼松拓也 社長)「(カスハラ加害者の)顔写真がすぐにメールで送られ、その場にいない人でもすぐに来客を知らせることができる」
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このシステムはカメラが捉えた全員の顔を抽出し、目の形や顔の骨格など100以上の特徴を蓄積します。
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(トリニティー 兼松拓也 社長)「不正利用した客の顔写真を防犯カメラから抽出して、ブラックリストに入れる形になります」カスハラを行った人物の顔を「対象者」として登録すると、次からはすぐに知らせてくれます。(パソコンの音声)「カスハラ対象者が来場した可能性があります」
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顔認識の精度は高く、マスクをしていても、横顔だけでも・・・(パソコンの音声)「カスハラ対象者が来場した可能性があります」ほぼ100パーセントの確率で本人を特定できるといいます。
(トリニティー 兼松拓也 社長)「店長は(カスハラ対象者の)顔を知っているけどアルバイトは知らない。誰もがカスハラで問題になっている客を認識できる仕組みを作りたかった」
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先月発売された「フェイスアラート」というこのシステム。飲食店や企業の問い合わせが相次いでいるといいます。
今や世界で10億台ともいわれあらゆる場所に存在する防犯カメラ。しかし、知らない内に映像が流出している事実も。
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10年ほど前から注目されるようになったロシアのWebサイト「インセカム」。そこでは世界各地の防犯カメラの映像が公開されています。ウクライナの店ではパソコンに向かう店員の姿が映っています。
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アメリカではプール付きのドッグランなのか、走り回る犬が。
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そして、日本でも。東京の回転すし店ではカウンターで食事を楽しむ男女。
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こちらは神戸。オフィスで男性が黙々と仕事をしています。実際にはモザイク処理もされず、そのままの映像が流れています。
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防犯カメラはリモートで見られるようWebに繋いでいることが多い一方、パスワードが設定されないとこうして誰でも見ることができてしまうのです。インセカムはその問題提起にもつながり映像が流出するカメラは年々減っていて、日本でもこの7年で4分の1になっています。
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治安の維持に役立つ一方、プライバシー侵害のリスクもある防犯カメラ。「光」と「影」の両面がありますが、今後もあらゆる場所で増え続けることは間違いないといえます。