女性の役者だけでつくる沖縄芝居の「劇団うない」が、旗揚げから20周年を迎えた。「うない」は沖縄の言葉で「姉妹」を意味し、沖縄芝居に一時代を築いた「乙姫劇団」(1945~2002年)の流れをくむ。代表の中曽根律子さんは「あっという間の20年だった。みなさんのおかげです」と感謝。3月2日には記念公演も予定されていて「若い人たちも頑張ってくれているので成功させたい」と意気込んでいる。
乙姫劇団が閉団した後は、同劇団のスターだった兼城道子さんを中心に公演し、04年に兼城さんを代表に「劇団うない」を旗揚げした。5周年記念公演を目前に兼城さんが死去し、09年に中曽根さんが2代目代表となった。現在は団員22人で活動している。
中曽根さんは「芝居が好きでずっとやってきたが、自分に代表の力があるとは思わなかった。若い人を散り散りにさせるわけにはいかなかった」と就任時を振り返る。
乙姫劇団時代に先輩の一挙手一投足を見て学んだことが力になったといい「役をえり好みしてはいけない。それが巡り巡ってあなたの糧になるんだよ」と若い団員の指導に余念がない。公演後のアンケートで「若手が上手になっている」との評価を喜び、成長を期待している。
記念公演の演目は、時代人情劇「花の代(だい) 旧二十日正月ジュリ馬行列の由来」。乙姫劇団の十八番(おはこ)だった大切な作品で、「花の島」を舞台に笑いと涙の物語を華やかな舞踊が彩る。
中曽根さんは「何役も掛け持ちする難しい芝居。それでも、みんな熱心についてきてくれる」と継承への手応えを語った。
記念公演は3月2日午後1時、浦添市の国立劇場おきなわで。問い合わせは事務局、電話090(7570)8128。(社会部・真栄里泰球)
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