教育訓練給付制度は、働く人々が必要な技術や知識を習得することを支援するための国の施策です。この制度の主な目的は、雇用保険の被保険者が職業能力を向上させることを促すとともに、労働市場での競争力を高めることにあります。
制度を通じて取得した資格により、就業機会の拡大や収入の向上も図ることができるため、キャリアアップを目指す方にとって、積極的に活用を検討したい制度といえるでしょう。
教育訓練給付制度は、ケアマネジャーの資格取得を目指す方にとっても大きな支援となります。特に、介護業界では人手不足が深刻な課題となっているため、教育訓練給付制度を活用して資格を取得することは、重要なキャリア形成の手段となっています。これにより、質の高い介護サービスを提供できる人材の育成も期待されています。
学び直しの経験者を対象にした第一生命研究所の調査によると、教育訓練給付制度を実際に活用している人は、全体のうちの22.7%となっています。また、32%は制度の存在自体を知らないという結果も出ており、制度の認知度向上が課題となっています。最大50%補助!教育訓練給付制度でケアマネを目指す!申請手順…の画像はこちら >>
教育訓練給付制度には、3つの種類があります。それぞれ支給額や要件が異なるため、自分に合った制度を選択することが重要です。
なお、2024年9月30日以前に開始した講座では、専門実践教育訓練の給付率は最大70%、特定一般教育訓練の給付率は最大40%となっていることに注意が必要です。特定一般教育訓練においては、2024年10月1日以降に受講を開始している場合、資格取得と修了から1年以内の就職を条件に、最大50%の支給が可能となっています。
介護支援専門員実務研修を受講する際には、教育訓練給付制度の中でも「一般教育訓練」と「特定一般教育訓練」の2種類を利用することができます。どちらの給付制度が適用されるかは、研修を実施する教育機関が厚生労働大臣から受けている指定の種類によって決まります。
したがって、研修を受講する際は、まず希望する教育訓練機関がどちらの指定を受けているかを確認することが重要です。
なお、特定一般教育訓練においては、介護支援専門員実務研修だけでなく、更新研修や主任介護支援専門員研修も対象講座となっている場合があります。
特に、主任介護支援専門員は地域包括ケアシステムの中核的な役割を担う存在であり、この研修の受講にも給付制度を活用できることは、さらなるキャリアアップを目指す方にとって心強い支援となるでしょう。
このように、教育訓練給付制度は、介護支援専門員としてのキャリアの各段階で活用することができます。
ケアマネジャーの資格取得には、受講料や教材費、試験費用など、多くの費用負担が必要となります。
厚生労働省の調べによると、介護支援専門員実務研修の費用は、2022年度の全国平均で58,829円となっています。都道府県別に見ると、最も低い島根県は20,800円、一方で最も高い山形県は80,280円と、大きな差があります。経済的負担に違いが生じているのが現状です。さらに、講座の内容やカリキュラムによっても費用は変動します。
教育訓練給付制度を活用することで、この経済的負担を大きく軽減できます。新しく講座を受講する場合の、具体的な支給額をみてみましょう。
過去に教育訓練給付制度を利用したことがある場合でも、前回の受講開始日から3年以上が経過していれば、再度制度を利用することが可能です。この制度は一度限りではないため、段階的なスキルアップを目指す際にも活用できるでしょう。
また、教育訓練経費には、入学料および受講料が含まれますが、検定試験の受講料や補助教材費、交通費などは含まれないことにも注意が必要です。
教育訓練給付制度を利用してケアマネジャーの資格を取得することは、キャリアアップの大きな機会となります。ケアマネジャーは、介護業界において非常に重要な役割を果たす職種であり、高いスキルと専門的な知識が求められます。この制度を活用して資格を取得することで、自身の市場価値を高めることができるでしょう。
介護業界全体の人手不足や高齢化社会の進展を背景に、ケアマネジャーの需要は今後さらに高まることが予想されます。実際に、介護支援専門員の有資格者の活躍の場は以下のように広がっています。
さらに、経験を積むことで主任介護支援専門員としてのキャリアアップも可能です。主任介護支援専門員は、ほかのケアマネジャーへの助言や指導的な役割を担い、より高度な専門性と責任が求められる一方で、それに見合った処遇も期待できます。
このように、教育訓練給付制度を活用して資格を取得することは、将来的なキャリアの可能性を大きく広げることにつながるでしょう。
教育訓練給付制度を通じてケアマネジャーの資格を取得することは、自身のキャリアアップだけでなく、介護業界全体の質の向上にも貢献します。
介護サービス施設・事業所調査によると、介護支援専門員の新規参入の不足は深刻な状況にあることがわかります。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、2016年度を除き、2017年度まで13万人以上を維持していました。しかし、2018年度から受験資格が厳格化したことで、2023年度には6万人を大きく下回っています。
現在の受験資格は、以下のいずれかの業務に5年以上携わり、通算900日以上従事していることです。
試験に合格した後も、実際にケアマネジャーとして働くには、実務研修の受講が必須となっています。さらに、働き始めた後も5年ごとの更新研修を受ける必要があります。そのため、経済的・時間的な負担が大きく、新規参入のハードルが高くなっているのが現状です。
このような状況において、新たにケアマネジャーとして活躍することは、以下のような形で介護業界に大きく貢献することになります。
このように、教育訓練給付制度を活用してケアマネジャーの資格を取得することは、深刻な人材不足に直面する介護業界の課題解決に直接的に貢献する重要な一歩となるでしょう。
教育訓練給付制度を利用するためには、まず受給資格の確認が必要です。受給資格の基本条件は雇用保険に加入していることです。ケアマネジャーに関連する教育訓練である「一般教育訓練給付金」と「特定一般教育訓練給付金」の具体的な要件は以下の通りです。
ここで、いくつか重要なポイントがあります。まず、支給要件期間は、同一事業主での継続した雇用期間をカウントします。複数の事業主での雇用期間も、空白期間が1年以内の場合であれば通算することができます。
また、妊娠・出産や育児、疾病や負傷などにより、教育訓練の受講が困難な期間が30日以上継続した場合は、適用対象期間の延長制度を利用することができます。この場合、ハローワークへの申請により、最大19年までの延長が可能です。
受給資格は、都道府県内のハローワークやインターネット上で確認できます。申請までに十分な時間を持ち、しっかりと自分が対象かどうか確認することが大切です。
厚労省が発表した最新の情報によると、2025年4月1日時点での介護支援専門員に関する特定一般教育訓練の指定講座数は200講座を予定しており、前年度と比べて57講座増加しています。
講座選択の際は、以下のような点を考慮することが大切です。
講座を選ぶ際は、以下の手順で進めることをおすすめします。
教育訓練給付金の申請は、大きく分けて2つの段階があります。まずは訓練修了後の基本給付、そして資格取得・就職時の追加給付です。
一般教育訓練・特定一般教育訓練の給付金について、申請手順と必要書類を詳しくみていきましょう。
申請方法には以下の3つの選択肢があります。
なお、申請は原則として本人の居住地を管轄するハローワークで行います。代理人による手続きの場合は、委任状を用意する必要があります。また、クレジットカードで受講料を支払った場合は、クレジット契約証明書の提出も必要となるので注意が必要です。
このように、給付金の申請には複数の書類と期限が設定されているため, 計画的な準備と手続きが重要となります。
介護業界において、ケアマネジャーの資格取得は大きな可能性を開く重要なステップです。教育訓練給付制度は、その一歩を踏み出そうとする方々を支援する心強い制度といえます。
自身の将来のキャリアを見据え、この制度を上手に活用するためには、あらかじめ制度の内容をよく理解し、必要な準備を整えることが大切です。その結果、より充実した学びの機会を得ることができるでしょう。