車両の不足が戦術にも影響を及ぼしています。
ウクライナ国防省は2025年2月19日、ロシア軍が先週(2月11~17日)に967台の車両を喪失したと発表。戦闘の様子を捉えた映像も公開しました。
ロシア軍が1週間で「とんでもない数」の車両を失う?“最高記録…の画像はこちら >>ロシア軍の最新戦車T-90M。自爆ドローンなどにより、損害が相次いでいる(画像:ロシア国防省)
同国防省によると、2月11日から17日にかけてのロシア軍の車両損失は、1週間あたりでは最多としています。ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、ロシア軍の兵站能力を重点的に破壊したと報告しており、主に兵站輸送を担うトラックや燃料タンク車などを撃破しているようです。
トラックや燃料タンク車は、戦車や歩兵戦闘車などと比べると地味な存在ですが、前線に食料や弾薬、燃料などを届ける重要な役割を担っています。ウクライナ軍は、これらの車両を攻撃することで、ロシア軍の侵攻作戦に不可欠な兵站輸送に打撃を与えている模様です。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所は10日、ロシアが2024年に主力戦車を1400両、歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車を3700両以上を失ったと推定。合計で5100両の装甲車両を失ったと発表しました。また、ロシア軍は装備の不足に対処するために歩兵主体の攻撃に切り替えていると指摘しています。
アメリカのシンクタンク、戦争研究所は13日、ロシア軍が装甲車両による機械化部隊の攻撃に大きく依存していたウクライナ東部のドネツク州で、使用する装甲車両の数を減らしている兆候が見られたとの見解を示しました。
ロシア軍が実際に1週間だけで967台の車両を喪失したのかは不明ですが、車両に大きな被害を受けているのは事実のようです。