新潟空港を拠点とする新航空会社「トキエア」。安定した運航率の確保が課題であるとも報じられる同社ですが、機内では、どのようなサービスが行われているのでしょうか。今回、実際に利用してみました。
2024年に運航開始をした、新潟空港を拠点とする新航空会社「トキエア」。2025年2月現在、2機を保有し、新潟~仙台、中部の3路線へ就航しています。その一方で、2024年12月以降、すべての保有機が故障し、整備作業を要したため、一時全便欠航となるなど、安定した運航率の確保が課題であるとも報じられていました。機内では、どのようなサービスが行われているのでしょうか。今回、実際に利用してみました。
「全便欠航」で話題にもなった「新航空会社」、その機内の様子と…の画像はこちら >>トキエア機(画像:トキエア)。
今回搭乗したトキエア便は、仙台→新潟線。片道運賃は予約変更などができない「トキトク」が9000円から、予約変更や直前購入も受け付ける「トキビズ」が1万6000円からとなっています。
ネット購入の場合、支払いはクレジット決済、もしくはPayPayで受付けています。また仙台~新潟線は当初は毎日運航だったものの、2月時点では月・金・土・日の週4日運航(各日2便体制での運航が標準的)まで減便していました。
オンラインチェックイン機能などはなく、受付時は仙台空港のカウンターに立ち寄る必要がありました。搭乗ゲートはターミナル端に近い「A3ゲート」から、バスで機体のそばまで行き、乗り込む方式がとられました。
使用された旅客機は同社向けの初号機であるATR 72-600「JA01QQ」。横2-2列の配置をもつ1クラス72席構成で、胴体後部から乗り降りするスタイルが特徴のプロペラ機です。
なお、ATR製の旅客機は日本の地域航空会社でも人気の機体で、JAC(日本エアコミューター)はATR 72-600と姉妹機のATR42-600を、HAC(北海道エアシステム)やORC(オリエンタルエアブリッジ)などはATR42-600を運用しています。
2区間の直線距離は160km、ダイヤ上の飛行時間は45分。乗客数は見た限り、10人を少し超える程度で、2席並んで座る人はほぼおらず、乗客みんなが散らばって座っています。グレーの薄型座席は他社のATR機とほぼ同等の仕様のようで、シートポケットの中身は、「安全のしおり」とオリジナルデザインのエチケット袋となっています。
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トキエアの機内提供品(山口真紀子撮影)。
ただ、離陸して10分ほど経つとほかの地域航空会社とは異なるサービスも。地域航空会社の多くは、機内サービスはなし、もしくはドリンク提供にとどまることが一般的です。一方、トキエア便では、おかきなどが入ったバラエティパック、三幸製菓「わが家のテッパン」が配布されます。同社は新潟市内に本拠を構えており、”米どころ”ならではのサービスと言えるのではないでしょうか。
この日は天気も良かったので降雪による遅延や欠航はなく、フライト時間は30分程度。定刻より早く空港に到着することができました。ちなみに、新潟空港での降機から到着ロビーへは徒歩で向かう方式でした。
今後トキエアは新潟~神戸線を開設予定であるほか、年内にも新潟~成田線の就航を計画していると報じられています。また、将来的には2025年時点では空路しかない新潟・佐渡への定期便を開設し、これが同社の”目玉路線”となる予定。「遅延・欠航なく飛ぶ」体制さえできれば、同社の航空路線は、新潟へのアクセスをよりラクにする選択肢のひとつとなるでしょう。