【解説・理社】理科、作図とグラフが増加 各教科の平均点見通しは 入試に詳しい専門家が解説 2025年千葉県公立高校入試

2025年公立高校入試問題(理科・社会)の出題傾向を、総進図書の金坂嘉一氏が解説します。順次公開。
【理社】問題と解答はこちら
◆理科 平均点は昨年度と同じくらいか
例年通り大問9題構成で、物理、化学、地学、生物から均等に、また履修学年もまんべんなく出題されている。
大問1は小問集合で出題形式、配点も昨年度本試と同様である。これまで出題されたことのなかった「放射線」からも出題されている。
大問2は無脊椎動物を中心とした問題で易しい問題だ。
大問3は、光の屈折についての問題で、光の通り道を図示する問題もある。
大問4は、空気中の水蒸気に関する問題。水蒸気量を表す棒グラフを書かせる問題もあった。
大問5は、蒸留について。(4)では質量パーセント濃度から質量を求める計算問題が出題された。
大問6は、太陽の日周運動について、光電池パネルの角度など工夫した形式である。
大問7は、イオン化傾向とダニエル電池について出題されている。イオンについての基本的な知識があれば容易だっただろう。
大問8は蒸散について、気孔を塗りつぶす問題と簡単な計算問題が出題されている。
大問9は力学的エネルギーについてである。
作図とグラフが昨年度より一題増えたが、基本的な問題であり、平均点は昨年度と同じ六十点くらいだろう。
◆社会 資料・文章の読み取り力必要
大問構成は昨年度本試と同じだが、一点が大問6から5へ移された。
大問1は千葉県関連。設問の意図や資料を読み取る必要があり、丁寧に解く必要があった。
大問2は日本地理。地形図とハザードマップを比較して答える問題など工夫されている。
大問3は世界地理。選択問題は平易だが、(5)で記述問題が出題されている。
大問4は江戸時代以前の歴史。(3)で楽市楽座の内容を説明させる記述問題が出題された。年代整序問題は平易だ。
大問5は明治時代以降の歴史。一九四〇年日独伊三国同盟成立の年であることを知っていれば平易だが、それを読み落とした受験生はとまどったのではないか。
大問6は、公民の経済分野。資料・レポートの読み取りなど。
大問7は政治分野。選挙、裁判所、直接請求権などが出題されている。
大問8は、国際分野。マイクロクレジットや電源構成など、現代の課題についての問題であった。
全体として、資料・文章の読み取り力が必要で、用語の暗記だけでは難しい。日ごろから新聞やニュースなどに接する姿勢が大切だ。平均点は昨年度よりやや下がるのではないか。

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