名古屋市は、地下鉄東山線の名古屋駅から伏見駅の間で検討してきた「柳橋駅」の計画を凍結することを決めました。「名古屋の台所」として、食文化を支えてきた柳橋中央市場。この周辺には一度は幻になった新駅計画がありました。それが「柳橋駅」構想です。
再び幻の駅に… 名古屋市営地下鉄東山線「柳橋駅」は計画凍結 …の画像はこちら >>
地下鉄東山線の名古屋駅から伏見駅の間に「柳橋駅」を作るこの構想は、東山線開業前の1954年にも検討されましたが、需要が見込めないことから見送りに。それから60年以上が経った2014年、リニア開業を視野に再び計画が浮上し、河村前市長は設置に前向きな姿勢を示していました。
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(名古屋市 河村たかし前市長)「“幻の駅”じゃいけない。商売やっている人を大事にしなきゃ。自信をもって投資していく」2018年度には調査が始まり、名古屋市は駅の設置は「物理的には可能」とする調査結果を公表していました。しかし、資材費と人件費の高騰を受け、事業費は150億円から約200億円に膨らみ、費用対効果が見合わないことが判明。今年度をもって計画を凍結することを決めました。
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(街の人)「名古屋駅からここ(柳橋)まで歩くのがネック」Q『柳橋駅』の計画が凍結したことは?「残念です」「下に掘って地下鉄をひくと(費用的に)どうなんだろう」
市は新たな代替案を模索。浮上したのが、新しい公共交通システム「SRT」です。「SRT」は2台のバスを繋いだ未来型の「連節バス」で、名古屋市中心部を移動しやすくして、街の賑わいを作り出そうとしています。(畑中大樹記者)「SRTでは、窓から見える景色に合わせて、映像コンテンツや広告が流れるということです」
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名古屋では19日、車内に映すデジタルコンテンツのデモ体験が!走行中の位置情報と連動し、観光スポットや商業施設の情報などが窓や天井に表示されます。(名古屋市住宅都市局 前川滋美担当課長)「都心部における回遊性の向上、賑わいの拡大、居心地よく歩きたくなるようなまちづくりを加速していく」
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SRTは、来年度後半には名古屋駅と栄の間で。アジア競技会が行われる2026年度には名古屋駅と名古屋城を結ぶルートで走ります。このどちらのルートにも重なるのが「柳橋」で名古屋市は停留所の設置について「地元と話し合いながら検討していきたい」と話しています。
(街の人)「一度くらいは乗ってみたい。市バスより快適なら」「天候が悪い日や寒い日、暑い日は絶対使うと思う。特に子連れだと大変なので」河村市政の「まるごと継承」を訴え、柳橋駅整備も公約に掲げていた広沢市長は…
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(名古屋市 広沢一郎市長)「(地下鉄の新駅について)いったん立ち止まる、すぐに進められる状況ではないと判断した。自費で(費用を)出してでも新駅をつくりたいという声があれば話は変わってくる」幻の柳橋駅に代わる新たなバスの停留所は、名古屋の台所に賑わいをもたらすでしょうか?