【北中城】切り絵や映像、インスタレーションなどを手がける浦添市出身のアーティストひがれおさん(29)が約5年にわたり収集した琉球人形と自身が制作した作品を披露する展示会「琉球人形あつめ」が24日(月)まで、北中城村喜舎場のギャラリー・ラファイエットで開かれている。「昔は家にあったけど、いつの間にか消えた琉球人形の思い出がある人も多いはず。とっておきの琉球人形にぜひ会いに来てください」と来場を呼びかけている。(中部報道部・吉川毅)
ひがさんは、リサイクルショップで手に入れた琉球人形を自身の作品の一素材として扱ったことをきっかけに、手工芸の人形が持つ独特の造形に気付いた。
終戦直後に米軍人向けの土産品として誕生し日本復帰の1970年代には観光ブームで人気となったことや、女性たちの手によって産業として発展した歴史を知り、琉球人形収集家としても活動するようになった。
これまでに集めたコレクションは約30体。フリマアプリで手に入れたり、新築祝いや結婚祝いなどで贈られたがいつの間にか家に飾られなくなっていた物を譲り受けたりした。
会場には、目鼻立ちのはっきりした顔立ちにジーファー(かんざし)で結い上げた黒髪が特徴の人形がずらり。ひがさんが樹脂などで制作したミニチュアの人形を持った琉球人形やチャイナ服を作って着せ替えた人形、那覇市の飲食店からレンタルした忍者姿の人形などの他、カトリック首里教会にあるマリア像を模した「琉球マドンナ」の写真なども展示されている。
ひがさんは「じっくり観察するとみんな個性的。物によっては耳が付いていたり、なかったり。しっかり作り込まれた琉装や和装を見比べるのも楽しい。琉球人形に興味や愛着を持っていただけたらうれしい」と笑顔で話した。
展示会は午前11時~午後5時。問い合わせは同ギャラリー、電話090(6630)3597。いつの間にか家から消えた琉球人形…5年かけ集める 沖縄のアー…の画像はこちら >>
子どもの頃にチャイナ服を着てハロウィーンに参加したことを思い出し作った服を着せ替えた琉球人形