全国有数の生鮮カツオ水揚げ量を誇る勝浦漁港(勝浦市)で14日朝、今年初めてカツオが水揚げされた。昨年より5日遅く、水揚げも減少したものの、一本釣りされた中型サイズを中心に例年並みの約12・9トンの漁獲があり、春の訪れを告げる「初ガツオ」に港町は活気づいた。漁協によると、4月下旬~6月にピークを迎える。
今年の一番船は、三重県志摩市の三重外湾漁協所属の第27源吉丸(149トン)。3日に同市の和具漁港を出港し、8日から小笠原諸島南方沖で4日間漁をして14日午前7時ごろ、勝浦に入港。漁労長の山本隆源さん(46)は「カツオの群れが小さく、釣るのに苦戦した。満足できる量ではないが、食べたらおいしく、質はいい」と語った。
銀色の魚体に縦じまのカツオは、一緒に釣り上げたキハダマグロの幼魚と一緒に小さいサイズから順にベルトコンベヤーに載せられて水揚げ。漁協の従業員らが黙々と作業を繰り返し。中には10キロを超える大物もあった。すぐに競りにかけられ、仲買人が箱に並んだカツオを確認。1キロ当たり2370円~220円の値が付き、東京・豊洲市場など首都圏へ出荷された。
生鮮カツオの一大産地として知られる勝浦。昨年1年間の水揚げ量が約5200トンで、水揚げ高は約18億3千万円だった。勝浦漁協関係者らと一緒に一番船を出迎えた照川由美子市長は「これでようやく勝浦に春が来た。源吉丸にありがとう」とほほ笑んだ。同漁協組合長の石井春人さん(74)は「何とか初日を迎えた。漁を行う各船の航海安全を祈り、春先にかけて多くの船が入ってくれたら」と期待を寄せた。